日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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【本】宮脇 昭著 「鎮守の森」(新潮文庫)

2012-10-22 07:17:48 | 本・映画・展覧会
 確かに、神社を取り巻く森は良い。伊勢神宮や明治神宮は言うまでもなく、そこいらの集落に残るちょっとした緑で、我々の目はどれほど癒されていることだろう。

 本書が面白いのはその「ちょっとした」方に焦点が当っていること。わずか数mの幅があれば緑生の回復は可能とし、その時間軸による植生の変化を示し、具体的な緑化の施策と実施例(製鉄所やショッピングセンターの周囲の例)を挙げている。

 内容は面白いが、本書が事実だとすれば、我々がこれまで正しいと思ってきた山林の回復…下草刈りや枝打ちによる「山の手入れ」…はとんでもない間違い、愚挙なのか?どうも著者はそう言いたいように読めてならない。

 だが、対象が違うのではないか。本書が対象としている地域は(都市の)人々の住居から極めて近い、近いと言うより同一圏内レベルの話であり、山林保全運動などは文字通り山間地を対象としている、即ち両者は並立し、否定しあうものではない…ムリかなぁ?

 幾ら意識を持っていても間違った方向に動いては、百害あるか分からないが一利なしはあり得そうだ。でも良く分からないからと言って手をこまぬいて見ている、それも賢い行動とは思えない。我々は何をどうしたら良い?

 2012年10月11日 バンコクのホテルにて読了
コメント
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