日々のつれづれ(5代目)

旅行レポート以外の、細々としたこと。
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【本】鈴木大介著 「老人喰い-高齢者を狙う詐欺の正体」(ちくま新書)

2020-10-14 20:00:00 | 本・映画・展覧会
 タイトルから想像していた内容とは少し違ったが、実に面白かった。

 本書の内容は、いわゆるオレオレ詐欺を企む者達の実態をドキュメンタリー形式に纏めたもの。犯罪のパターン分析や各々の役割についでも書いてあるが、紙面が割かれている大半は「研修」について。募集から「洗脳」そして研修、実践。研修内容は服装や個人行動まで及ぶ。念入りにマニュアル化された内容は大手企業を凌ぐほど。そして、こうした犯罪を企図する連中のモチベーションは「実に勿体ない」とすら著者は言う。これが正業であれば、どれほどの業績を上げられただろうか…と。

 もちろん詐欺行為には全く賛同しないが「年寄りの金持ち連中は溜め込むばかりで使おうとしない。その死に金をいただくんだ」と言う理屈には一瞬共感した。義賊?違う、彼等は掠め取ったカネを決して貧しい民に使わない。せいぜい自分の身内(仲間)に分配するだけだ。やはり賞賛には値しない。

 2020年10月3日 自宅にて読了
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【本】月岡祐紀子著 「平成娘巡礼記 四国八十八カ所歩き遍路」(文春新書)

2020-10-14 06:00:00 | 本・映画・展覧会
 本書の元となった「娘巡礼記」を読んだ縁で、こちらも読んでみた。時代は100年違えど、著者はどちらも巡礼時24歳。「オリジナル」の著者は短歌詠みだったけど、本書の著者は三味線弾き、それも絶滅し掛かっている「瞽女(ごぜ)唄」の数少ない後継者。

 女性遍路はもはや珍しくなく、ネットを探せば巡礼ブログも容易に見つかるだろう。本書でユニークなのは、道中ところどころで著者が三味線を弾くシーンと周囲の反応。奉納で弾くこともあれば、出会った遍路や地元の方々のために弾くこともある。雨の中も行動する歩き遍路なので湿気に弱い三味線を持っての行動は大変だったろうと推察するが、芸があるって素晴らしい。なお著者は本書の遍路が歩き遍路二周目、立派なものだ。

 読後にネットを検索したが、引き続き奏者として活動はされておられるようだが情報が少なく、自身のSNS等も更新されていない。地道に演奏活動を続けておられれば良いのだが。

 2020年10月1日 自宅にて読了
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