「後からああだこうだ言うのは容易い」と言う人がいるけれど、それ(総括)すらきちんとやらないのが日本ではないか。表面的な批判や言葉尻をとらえた揚げ足取りばかりで、冷静に本質に迫ることは滅多にないように思えてならない。
第二次世界大戦で、日本(軍)はなぜ負けたか。本書は単純にミッドウェー海戦が転換点だったとか細かな話ではなく、ずっとそれ以前、日清日露戦争に至る辺りからの政府や軍部の考え方、制度的欠陥などを指摘しており興味深い。全て「そうか」と鵜呑みにするのは危険なので、あれこれ疑いはしたが反証する知識はないため、こういう見方もあるのかと思った程度。
結局どういう立場にいて、どのような国を目指すかによって求める結果は変わるのだから、後世に検証する立場にあっては「どういう国を目指すべきだったのか」と言う軸を定めなければ話は嚙み合わない。そうした擦り合わせの議論をしっかりして、感情論や犯人捜しに至ることなく冷静に議論をしたケースを、日本においては見聞きしたことはない気がする。
2024年10月17日 実家より戻る電車にて読了