洋菓子店コアンドル
2010年/日本
残念な受賞作
総合
50点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
同じ深川栄洋監督による『白夜行』の出来が意外と良かったことと、アメリカのカリフォルニア州で開催されているアカデミー賞公認の映画祭、第26回サンタバーバラ国際映画祭のアジア映画コンペ部門<East Meets West>に出品されて、最高賞のイースト・ミーツ・ウエスト賞(Best East Meets West Cinema Award)を獲得したというニュースを聞いて観に行ったのであるが、昨年に同賞を受賞したポン・ジュノ監督の『母なる証明』ほどの素晴らしい出来だとは思えなかった。
悪いのは主人公の臼場なつめが作るケーキだけではなくて彼女の性格も酷いために感情移入が難しい。なつめのケーキ作りの技術の上達の過程が急過ぎる反面、江口のりこが演じる佐藤マリコが、なつめの理不尽さに対して必要以上に悪役を引き受けさせられていて気の毒になってしまった。
十村遼太郎の娘が交通事故で亡くなるシーンは懲りすぎていて見ていてもどのような状況なのかよく分からなかったのだが、十村が何故娘の死をきっかけにケーキ作りを止めてしまったのか、その心情が不明確であり、同時に何故ケーキ作りを再開したのかもよく分からなかった。十村の部屋に飾ってあった、娘が描いたであろう絵には十村と娘の2人が描かれていたのだが、十村の妻が描かれていなかったことが謎として残されたまま、ラストで2人が再会するシーンがあったのでますます訳が分からなくなってしまった。ストーリーが紋切り型と言わざるを得ない(ついでに言っておくならば、晩餐会に出席していた女の子の「ミラクル」というフランス語の発音が不自然で、彼女はフランス人ではないような気がする)。
要するに洋菓子に拘る余り、作品自体が‘甘すぎる’ものになってしまったということなのだろう。
「野党体質抜け切れず」=首相、自らの資質に言及(時事通信) - goo ニュース
菅直人は自らの政権運営について「野党の生活が長かったし、(市民)運動的な発想で
物事に当たる事が多かったので、ある部分なかなかその体質、性格が抜け切れないかも
しれない」と述べたようであるが、全く意味不明な答えである。市民運動的な発想こそが
菅直人の政治家としての“売り”であったはずなのに、そのような特質を自ら否定して
しまっては、事実上の政治家の“廃業宣言”と捉えられても仕方がないであろう。菅直人
が考えなければならないことは、自身の市民運動的な発想が何故首相になってから
有効に働かなくなってしまったのかであり、結論を本人の代わりに述べるとするならば、
菅直人には市民運動家以上の政治家としての資質が根本的に欠けているからである。
たまたま長期間に渡ってボロが出なかったから選挙に勝ってこれただけだったのである。