17歳のカルテ
1999年/アメリカ
‘本音’の生き方の袋小路
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
精神療養施設を舞台とした作品としてジャック・ニコルソンが主演した『カッコウの巣の上で』(ミロシュ・フォアマン監督 1975年)が有名であり、1960年代を舞台としている点でも共通しているのであるが、24年後の1999年に発表された『17歳のカルテ』は着眼点が異なっている。
『カッコウの巣の上で』は主人公であるランドル・マクマーフィーの、敢えて詐病で精神療養施設に入ることで施設という‘体制’と戦い、挫折するまでが描かれているのであるが、『17歳のカルテ』の主人公のスザンナ・ケイセンは卒業後に通っていた高校で一人だけ大学進学をしなかったことで、世間体を気にする両親と諍いになり、アスピリンをアルコールと一緒に大量に摂取して自殺未遂をしたことで精神療養施設に入ることになる。
スザンナは境界性人格障害と診断されるのであるが、彼女はたまたま一度自殺未遂を試みてしまっただけで、父親からもらった5千ドルを手に徴兵を回避するためにカナダに一緒に逃げようと言うボーイフレンドのトビー・ジェイコブスの誘いにも乗らない冷静な判断ができるスザンナは実質病人とは言えないのであるが、同じ施設に入っているリサ・ロウの‘本音’の生き方に同感して魅了されてしまう。
リサと一緒に施設を逃げ出したスザンナは数日前に退院していたデイジー・ランドネが住んでいる家を訪れる。そこでリサはデイジーが父親と近親相姦の関係にあることを詰問してデイジーを自殺に追いやることで、施設から退院したデイジーよりも施設に入っている自分の方が自由であることをスザンナに見せつけるのであるが、見ているだけでデイジーを助けることができなかったスザンナはリサの‘本音’の生き方に疑問を抱くようになる。
確かにスザンナも日記に本音を書いていたのではあるが、スザンナはそれを直接本人たちに言うことはない。もちろん本音を言ってしまうと相手が傷つくことが分かっているからであるのだが、リサにはそのことが分らない。スザンナは‘正直’を信条とするリサを、心が死んでいて冷たい社会病質者だと断定して本音を言うことでリサを矛盾に追い詰める。
このように『17歳のカルテ』の精神療養施設は『カッコウの巣の上で』のような自由を縛る‘体制’として描かれてはいない。『17歳のカルテ』の患者たちは、特に60年代に学生運動などで盛り上がった自由という概念そのものに縛られているのである。それは『十七歳の地図』というデビューアルバムをリリースしたミュージシャンをも追い詰めたものであるだろう。
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自民党の谷垣禎一総裁を副総理兼震災復興担当相での入閣させるというアイデアは
菅直人にはメリットがあった。これほどの大震災だと余程の手腕がなければ上手くいく
ことはないだろうから、万が一には責任の全てを谷垣に被せることができるからだが、
逆に言うならばそれだけの政治手腕があれば一気に名を揚げることができるのであるが、
残念ながらそれほどの政治手腕がない事は谷垣本人が一番良く分かっていたようである。
しかし菅直人に新たなチャンスが訪れた。ホウレンソウやカキ菜や原乳に食品衛生法の
暫定規制値を超える放射性ヨウ素や同セシウムが検出された。これで以前Oー157で
カイワレ大根が風評被害を被った時にした得意の“安全宣言パフォーマンス”が出来る。
ただし1996年の厚生大臣の時には念のため事前に安全なカイワレ大根を食べていた
ことで顰蹙を買っていたから、今回は直接現地に赴いて取り立てのホウレンソウやカキ菜
を食して、搾りたての原乳を飲む必要がある。