MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

風評被害と情報操作

2011-07-07 00:16:26 | Weblog

子会社社員に原発再開賛成メール促す 九電、番組向け(朝日新聞) - goo ニュース
九電、再稼働賛成メール送信指示…一般市民装い(読売新聞) - goo ニュース
原発の再開遅れを「風評被害」と発言 九電会長(朝日新聞) - goo ニュース

 九州電力の松尾新吾会長は30日、朝日新聞の取材に対し、東京電力福島第一原子力

発電所の事故をきっかけに定期検査中の原発の運転再開が遅れていることについて「車検

の済んだ車に乗るなというようなもの。エモーショナル(感情的)な側面がもたらした一種の

風評被害」と述べたばかりなのであるが、この“エモーショナル”な情報操作をどのように

言い訳するのか訊いてみたい。経産省によると、意見や質問は説明会の開催前日の午前

10時から番組終了時まで受け付け、メール473件、ファクス116件が寄せられた。再稼働

への賛否の内訳はメールが賛成226、反対119、その他128。ファクスが賛成60、反対

44、その他12だったそうである。事実上、賛成は0だったことが明らかになったのだが、

原発開発時にもこのような情報操作がなされていたのではないのかという疑惑が浮上する

ことは避けられないであろう。


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『大地の時代』 70点

2011-07-07 00:13:12 | goo映画レビュー

大地の時代

1980年/ブラジル

ネタバレ

演出を放棄する意図

総合★★★☆☆ 70

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 『大地の時代』はグラウベル・ローシャ監督の1980年に公開された遺作である。『アントニオ・ダス・モルテス』(1969年)から『大地の時代』まで少なくとも4本の長編が撮られているが、観ることができないので、どのような作風の変化を辿ってきているのか確かめる術がないのであるが、『大地の時代』にはもはや物語が失われている。
 しかしタイトルからも推測できるのだが、『黒い神と白い悪魔』(1964年)と『アントニオ・ダス・モルテス』が‘姉妹編’であるように、『大地の時代』は『狂乱の大地』と‘姉妹編’を成すように見える。
 『大地の時代』の唯一の主人公であるジョン・ブラーマスは政治家であるが、演じている俳優はアントニオ・ダス・モルテスを演じたマウリシオ・ド・バッレである。
 夜明けに昇ってくる太陽から始まる本作はまるでドキュメンタリーのように見える。野外やクラブ内のダンスシーンなどは本物であろうが、その中をうろついているジョン・ブラーマスや彼とライバルのような男は同じシーンを何度も繰り返し演じさせられ、同じセリフを何度も言わされている。どれがOKシーンでどれがNGシーンなのかは分らないが、とにかく全てを見せるという姿勢が伺える。
 グラウベル・ローシャ監督は人間の善悪を分けることを諦めたように見える。諦めたというよりは善悪など分けることはできないと悟ったのかもしれない。だから『狂乱の大地』で問題になった‘情報操作’を放棄して全てを見せることにしたのだと思う。理屈としては理解できるが、残念ながら観ていて面白いとは思わない。


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