アンダルシア 女神の報復
2011年/日本
守るべきもの
総合 20点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
『容疑者Xの献身』(2008年)も『アマルフィ 女神の報酬』(2009年)も西谷弘監督作品は佳作とは言えないまでも時間の無駄とは思わなかったのであるが、『アンダルシア 女神の報復』は物語に集中できないほどに演出が酷過ぎた。
冒頭のシーンで川島直樹が意図的に起こしたスキー事故は、川島に自殺願望があるという伏線だと思うが、あれだけ重傷を負った川島がホテルの部屋に一人で帰宅できていることが考えられない。
同様に新藤結花が不眠を理由に睡眠導入剤をもらうのも、黒田康作のワイングラスに入れて眠らせるという伏線なのであろうが、常識で考えて必要以上に多くの睡眠導入剤を処方するはずがないのである。
新藤結花の生い立ちなども物語に深みを与える伏線として機能していない。せめてアクションシーンでも面白ければまだ救いはあった。しかし新藤結花が何者かに襲われた時に、雪が降る中で神足誠は相方と路地でその暴漢を追い詰めたはずなのであるが、いつの間にか逃げられてしまっている。
バルセロナで行われたらしいカーアクションシーンでも、神足誠はグダグダしていて抵抗してこないのに、何故か黒田康作と新藤結花が乗車している車に犯人たちが近づいて止めを刺そうとしない。まるで神足誠は黒田康作よりも目立つことを禁じられているように見える。
新藤結花が切羽詰まってホテルの部屋のベランダから投げただけで、降り積もった雪の上に‘隠した’、PCや携帯電話を入れた袋を、最後になってシャベルで土の中から掘り出しているのを見たときには呆れてしまった。殺人事件が起こったホテルの周囲などは警察が調べていて当たり前なのであるが、誰がその袋を土の中に埋めたのかが分らない。
『アンダルシア 女神の報復』のキャッチコピーは「守るべきものは、誇りか、愛か」だそうであるが、その前に演出の基本を守ってもらわなければ、物語にのめり込めない。
2011年7月12日の毎日新聞の夕刊で織田裕二がインタビューに答えている。「黒田役の織田裕二は『確実に今回の方が面白い』と自信満々に語った。」ことが事実であるならば、織田裕二は確実に‘老いた’と思う。
勝間和代さんが推薦する「ストレングス・ファインダー」(COBS ONLINE) - goo ニュース
7月1日のフジテレビの「笑っていいとも!」のテレフォンショッキングに勝間和代が出演
していた。勝間和代は“速読”でもって年間500冊の本を読むらしい。彼女の速読の方法は
まず文字を読む前に全体像をつかみ、どういうことを著者と会話をするかをとらえるらしい。
例えばということで「タモリさんも今日、私と何の話をしようってあらかじめ、ある程度決めて
いらっしゃいますよね?」と尋ねた勝間に対してタモリは「いや、全然決めてない!」と答えて
いたのであるが、これはタモリが正しいと思う。あらかじめ“全体像”を掴んでおくということは
自分にとって未知のものに出会うことを奪うことになりかねないのだから、そんなつまらない
ことをタモリがするわけがないのである。逆に言うならば勝間和代が読んでいる本は
読まなくてもある程度想像がついてしまうものなのである。タモリが大抵の本は“水増し”
していると何気なく本当のことを言ってしまったことに対して、勝間和代は必死になって
“わかりやすく丁寧に書いてる”と言い換えていたことが笑えた。