MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』

2014-07-18 22:12:02 | goo映画レビュー

原題:『Paganini: The Devil's Violinist』
監督:バーナード・ローズ
脚本:バーナード・ローズ
撮影:バーナード・ローズ
出演:デイヴィッド・ギャレット/ジャレッド・ハリス/クリスチャン・マッケイ
2013年/ドイツ

パガニーニという「コスチュームプレイ」の価値について

 そのあまりにもヴァイオリンの超絶した技巧により、一流のヴァイオリニストとしてではなく、色物として観られていたニコラ・パガニーニの恐るべき才能に気がついてマネージャーを買って出たのはウルバーニという男である。ウルバーニは、パガニーニが名声を得るためには「物語」が必要だと説き、その結果、パガニーニの卓越した超絶技巧は正当に評価されるようになるのである。
 やがてシャーロット・ワトソンとの出会いや、彼女の声楽家としての才能を認めたパガニーニは彼女を舞台に上げて競演を果たす。しかしそのことをよく思わないウルバーニは、パガニーニと娼婦の逢引をシャーロットに見せることで2人を別れさせることに成功するのであるが、激怒したパガニーニはウルバーニと絶縁することにする。
 しかし敏腕マネージャーを失ったパガニーニは自分で建てたクラブのステージで再び色物のような存在に堕落してしまうのである。
 当時においても敏腕マネージャーがいるかいないかで、パガニーニほどの優れた演奏者でさえ人生が左右されてしまうのか不思議に思い調べてみたら、パガニーニを除く本作のほとんどがフィクションであり、このような事実が存在しないことを知り、がっかりしてしまった。要するに本作はパガニーニに扮したデイヴィッド・ギャレットの演奏を楽しむ以外には全く価値がないもので、それならばいっその事デイヴィッド・ギャレット本人の半生を本人が演じた方が面白かったように思う。


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