MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『愛する人へ』

2014-07-30 00:26:08 | goo映画レビュー

原題:『En du elsker』 英題:『Someone You Love』
監督:ヘアネレ・フェシャー・クリスチャンセン
脚本:ヘアネレ・フェシャー・クリスチャンセン/キム・フォプス・オーケソン
撮影:ラウスツ・トリアー・メアク
出演:ミカエル・パーシュブラント/トリーヌ・ディルホム/ビアギッテ・ヨート・スレンセン
2013年/デンマーク
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014)

 なかなか愛することが難しい主人公について

 主人公は世界的に名声を博したシンガーソングライターのトーマス・ジェイコブである。彼はニューアルバム制作のために拠点としているロサンゼルスを離れて久しぶりに故郷のデンマークに戻り、物語は故郷に戻った50歳のトーマスと彼の娘のジュリーと彼女の11歳の息子のノアを中心に展開する。
 しかしどうもこの主人公のトーマスは偏屈な男で、なかなか感情移入することが出来ない。金の無心に来たジュリーに冷たいことは百歩譲るとしても、薬物治療のために施設に入ることになったジュリーに対しても冷たく、孫であるノアにも好々爺として接することはない。さらにイライラが募ったトーマスは、恐らく女性に対してだらしがないためにわざわざレズビアンのマネージャーを雇っていたはずなのであるが、その長年マネージャーを務めてくれた女性に対しても罵声を挙げて解雇してしまう有様で、すぐに謝罪しても後の祭なのである。
 ラストは娘を失い施設に入れる寸前で思いとどまったトーマスがノアと共に生きる決心をするのであるが改心した動機がよく分からず、結局、外面だけは良い男としか捉えられなかった。


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