MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『日本暗殺秘録』

2014-07-01 00:07:22 | goo映画レビュー

原題:『日本暗殺秘録』
監督:中島貞夫
脚本:中島貞夫/笠原和夫
撮影:吉田貞次
出演:千葉真一/田宮二郎/藤純子/若山富三郎/高倉健/鶴田浩二/片岡千恵蔵
1969年/日本

精神錯乱者たちの華麗なる競演について

 日本で過去に起こったテロの凄惨なシーンを次々と見せられると正直気分が悪くなり、よくこのような作品が撮られたものだと感心もするのだが、やはり「1969年」という時代が撮らせたと言っても過言ではないであろう。しかし敢えて内容には踏み込まず、「現代に暗殺に代わる思想はあるのか」というラストの身もふたもない問いに答えるつもりもない。私が気になったことは食料に関する描写である。
 千葉真一が演じる主人公の小沼正が、売れなくて畑の肥料にもならないからという理由で農民たちが大量のサツマイモを川に捨てているところを目撃するシーンがあるのだが、それが売れなかったサツマイモを処理する正しい方法だとは思えない。あるいは小沼がワカメを売り歩く際に、不景気だからという理由でワカメが全く売れないのであるが、いくら不景気ではあっても食べ物が売れないということが考えにくく、作品の性格上仕方がないとは思うが、「弱者」に対する偏見が見受けられる。


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