原題:『Maleficent』
監督:ロバート・ストロンバーグ
脚本:ポール・ディニ/リンダ・ウールヴァートン
撮影:ディーン・セムラー
出演:アンジェリーナ・ジョリー/シャールト・コプリー/エル・ファニング/サム・ライリー
2014年/アメリカ
「男性不信」映画がヒットしているという深刻さについて
どうしても同じウォルト・ディズニー・ピクチャーズによって製作された『アナと雪の女王』(クリス・バック/ジェニファー・リー監督 2013年)と本作を比較してしまう理由は、それまで当たり前のように描かれていた「真実の愛=男性のキス」という法則が成り立たなくなっていることで、氷の彫像と化したアナを救ったものがハンスやクリストフではなく姉のエルサだったように、城の地下の糸車に自ら指を刺し、醒めない眠りに落ちてしまったオーロラ姫を目覚めさせたものはフィリップ王子ではなく、16年間絶えずオーロラ姫を見守り続けたマレフィセントの「真実の愛のキス」だからである。実際に、マレフィセントは好意を寄せていたステファンに翼を折られたのみならず、クライマックスにおいても止めをさすことをためらったマレフィセントをステファンは背後から襲おうとし損なって屋根から墜落死し、2度もステファンに裏切られたのである。
このように次々と「男性不信」映画がヒットしているという現実を私たちはもっと深刻に受け止めなければいけないのではないだろうか?