原題:『Hoje Eu Quero Voltar Sozinho』 英題:『The Way He Looks』
監督:ダニエル・ヒベイロ
脚本:ダニエル・ヒベイロ
撮影:ピエール・デ・キャショーブ
出演:ジュレルメ・ロボ/ファビオ・アウディ/テス・アモリン/ルシア・ホマノ
2014/ブラジル
(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014 脚本賞)
盲目と同性愛の関連について
今回、同性愛をテーマに扱った作品が3作品もあったが、本作に関する疑問は主人公で生まれつき盲目のレオナルドが同性愛者という根拠である。レオナルドは転校してきたガブリエルに恋をしてしまうのであるが、それはガブリエルが身に着けていた服の匂いを嗅いでマスターベーションをすることがきっかけとなる。しかしそれはたまたま好きになった相手が同性だったのではないのかという疑問は誰でも持つはずで、監督は自身がゲイということもあってレオナルドは同性愛者であると断言していたからそうなのであろうがガブリエルはともかくレオナルドのセクシュアリティーに関しては疑問が残る。
しかしそれ以外の描写に関しては思春期の若者たちのナイーブさが良く描けている青春映画である。特にテーマ曲となっているスコットランドのポップバンドであるベル・アンド・セバスチャン(Belle & Sebastian)の「There's Too Much Love」が効果的に使われている。以下、より深い作品理解のために「There's Too Much Love」の和訳。
「There's Too Much Love」 Belle & Sebastian 日本語訳
僕はぐずぐずしているからひどい目に遭うこともある
僕はここでのらくらしながら何かが始まることを待っているんだ
君は僕が完全無欠の男だと思っている
僕の態度は非の打ち所がないと思っているけれど
見えない部分では僕は君と変わりはないんだ
僕はソウルミュージシャンのように一晩中ダンスしていることもあるけれど
むしろ僕はダンスフロアを這いつくばっている有様であることは君にも分かっている
僕の眼差し(the way I look)だけで他人を不快にさせてしまうから誰も僕を知らない場所で
僕は一人で踊っているような気分なんだ
僕が殴り合いを始めて
敵の数を数えている時
せめて君だけでも僕の味方になって欲しいと思う
でも喧嘩が始まってしまったならば終わらせることが一番
僕はただ首を垂れて褐色の床を見つめればいいんだ
余計に周囲を見回さない方がより安全だ
今は君に対する僕の感情を隠すことができない
近頃、そのことしか頭の中を巡らないほど愛に満ち溢れているんだ
僕には別の顔があると君は言う
最近の話をしているのであるならば
それは僕の過ちではないんだ
僕は情け容赦なく率直に君のことを恐れている
余計に周囲を見回さない方がより安全だ
今は君に対する僕の感情を隠しようがない
近頃、そのことしか頭の中を巡らないほど愛に満ち溢れているんだ
僕には別の顔があると君は言う
最近の話をしているのであるならば
それは僕の過ちではないんだ
僕は率直に情け容赦ないほど君のことを恐れている
There's Too Much Love (From "Hoje Eu Quero Voltar Sozinho")