原題:『Glass』
監督:M・ナイト・シャマラン
脚本:M・ナイト・シャマラン
撮影:マイケル・ジオラキス
出演:ブルース・ウィリス/ジェームズ・マカヴォイ/サミュエル・L・ジャクソン/サラ・ポールソン
2019年/アメリカ
時代に取り残された映画監督の感性について
M・ナイト・シャマラン監督の『アンブレイカブル』(2000年)と『スプリット』(2017年)のデヴィッド・ダン、イライジャ・プライス(=ミスター・ガラス)、ケビン・ウェンデル・クラム(=群れ)という主要キャラクターを登場させ、精神科医のエリー・ステイプルと対決させることで、コミックなどに登場するスーパーヒーローの存在そのものを問うスリリングなストーリーを途中まで楽しめたのであるが、ラストのオチは失敗していると思う。
エリー・ステイプル医師の裏を突いて、ガラスは監視カメラに映された自分たちが超能力を発揮している様子をネットに流すことに成功するのであるが、あの程度の超能力であるならば今ではCGでいくらでも捏造できるもので、世間が騒ぐことはあり得ないのである。シャマラン監督の感性が時代に追いついていないと思う。
ガラスがケビンに襲わせるつもりでいた新築の「オオサカ・タワー」の名前の由来は、言うまでもなく大坂なおみの活躍によるものである。