原題:『The Girl in the Spider's Web』
監督:フェデ・アルバレス
脚本:フェデ・アルバレス/スティーヴン・ナイト/ジェイ・バス
撮影:ペドロ・ルケ
出演:クレア・フォイ/スベリル・グドナソン/シルヴィア・フークス/キース・スタンフィールド
2018年/イギリス・ドイツ・スウェーデン・カナダ・アメリカ
姉妹の絆の「脆さ」について
主人公のリスベット・サランデルは「ファイヤー・フォール」と呼ばれる世界核攻撃プログラムの奪還をプログラマーのフラン・バルデルから依頼されるのだが、その先には「ザ・スパイダーズ」と呼ばれる国際犯罪シンジケートのトップだった彼女の父親のアレクサンダー・ザラチェンコと彼の後を継いだ妹のカミラ・サランデルがいた。つまり原題である「蜘蛛の巣の中の少女」とはカミラが張った罠にかかるリスベットを指しているのであるが、後半になってリスベットとカミラの実家である屋敷で繰り広げられる戦いにおいて、リスベットの相棒であるプラグが屋敷をコンピューターで完全にスキャンし、それを指針にアメリカ国家安全保障局の保安官であるエドウィン・ニーダムが援護射撃することでリスベットがカミラに「蜘蛛の巣」をかけ返す展開が上手いと思う。
しかしストーリーに関しては納得できない部分がある。それは幼少の頃にリスベットが実家から逃げようと試みるシーンであるが、カミラは父親の側についてしまいリスベット一人が逃げることになり、カミラはその後父親から虐待されることになるのである。ラストにおいて「何故助けに来てくれなかったのか?」問うカミラに対してリスベットは「あなたは父親の方へ行ったから」と答える。それは正論だとしてもカミラがどのような憂き目に遭うか分かっているのだからやはりリスベットは姉として妹のカミラを助けに行くべきだったのではないだろうか。