原題:『リトル・サブカル・ウォーズ -ヴィレヴァン!の逆襲-』
監督:後藤庸介
脚本:いながききよたか
出演:岡山天音/森川葵/最上もが/本多力/柏木ひなた/平田満/滝藤賢一/萩原聖人/安達祐実
2020年/日本
定義が曖昧なサブカルチャーについて
おそらくイメージとしては『華氏451度』(フランソワ・トリュフォー監督 1966年)だと思うのだが、撮られている画に全く緊張感が感じられないのはコロナ禍での撮影だったからだろうか?
しかしそもそも本作は「サブカルチャーVSカルチャー」なのだろうか? 例えば、ジャズサックス奏者のアルバート・アイラーや安室奈美恵はともかくとしてビートルズはいまだにサブカルチャーだろうか? つげ義春の『ねじ式』はともかくとしても宮沢賢治や澁澤龍彦がサブカルチャーだろうか? 何故このような疑問が生じるのかといえば「平等」や「平和」と呼ばれる検閲官たちがカルチャーを具体的に提示していないからであろう。だから本作は「カルチャーVS反カルチャー」のように見えてしまうのである。出演者が良かっただけに「無駄遣い」の感が拭えない。