MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『RUN/ラン』

2021-07-09 00:58:23 | goo映画レビュー

原題:『Run』
監督:アニーシュ・チャガンティ
脚本:アニーシュ・チャガンティ/セヴ・オハニアン
撮影:ヒラリー・スぺラ
出演:サラ・ポールソン/キーラ・アレン/パット・ヒーリー/サラ・ソーン
2020年/アメリカ

巧妙なタイポグラフィーの演出について

 タイトルの「ラン」は娘のクロエ・シャーマンが母親のダイアンから「逃げる」という意味なのだろうが、ダイアンが「逃走中(On the run)」であるという意味も含まれていると思う。
 あまりネタバレをしない方が良い作品なので、ここではストーリーには直接関わりがないタイポグラフィーにこだわってみたいと思う。何故クロエがワシントン大学(University of Washington)の合格にこだわるのか勘案するならば、それはワシントン大学のロゴにあるように思うのである。

 画面にしばしば現れる「W」の意味に最初は気がつかないのだが、クロエがリン酸エステルを飲んで入院した後に、看護婦にペンと紙を借りて書いた文字が「MOM(母親)」で、「M」と「W」の対照性でクロエの「母親離れ」の強い意志を暗示させているのである。
 ところで7年後に、クロエがダイアンの入院している病院にお見舞いに来て自分の娘のアニーに関して「ゴジラのように歩く」と教えるのだが、ゴジラの知名度の高さは誇らしいとしても、もはやいつのゴジラの歩き方を指しているのか分からないのである。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/bunshun/entertainment/bunshun-46417


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