原題:『バイプレイヤーズ ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』
監督:松居大悟
脚本:ふじきみつ彦/宮本武史
撮影:加藤十大
出演:田口トモロヲ/重松豊/光石研/遠藤憲一/濱田岳/有村架純/天海祐希/役所広司
2021年/日本
「ド根性」で撮られた映画について
タイトルの割にはストーリーが地味である感が拭えない。例えば、濱田岳が初監督として柄本時生、菜々緒、芳根京子、高杉真宙を集めて『月のない夜の銀河鉄道』という映画の自主制作に取り掛かるのだが、肝心のSLが調達できない。そこで『小さなおじさん』という映画の制作に携わっている田口トモロヲ、重松豊、光石研たちの手伝いをする代わりに、『小さなおじさん』で使っているSL内部のセットを無償で貸してもらえる約束を取り付けるのであるが、嵐でセットは滅茶苦茶になってしまうのである。
ところが役所広司の「あのね、あそこに大きな蛙がいてね、近づいて取ってみたんだよ、するとそれはカエルに似た大きな石だったんだ、面白いねぇ、カエルそっくりだったんだよ」という話からスタジオそのものが電車のようだという話になり、100人の名脇役たちが集合して自主映画を完成させてしまうのである。つまり予算や、もはや脇役などしない一流俳優の所属する各々の事務所が厳重に管理しているスケジュールなど無視した「ド根性」で映画を撮ってしまうという荒唐無稽な話で、完全な内輪ウケの話に堕してしまっている。例えば、決して主役を得られない名脇役たちを集めて本作を撮ったならば見るに耐えられる作品になるかどうか考えてみればいいのである。
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