原題:『Never Rarely Sometimes Always』
監督:エリザ・ヒットマン
脚本:エリザ・ヒットマン
撮影:エレーヌ・ルヴァール
出演:シドニー・フラニガン/タリア・ライダー/セオドア・ペレリン/ライアン・エッゴールド/シャロン・ヴァン・エッテン
2020年/アメリカ・イギリス
ドキュメンタリータッチで描く理由について
物語の発端は主人公のオータム・キャラハンが妊娠したことから始まる。当然のことながら相談先として危機妊娠センター(Crisis Pregnancy Center)を訪れるのだが、危機妊娠センターはなるべく手術を受けないように導くことを基本としているために、高校生のオータムとはそもそも意見が合わないし、堕胎をするにしても彼女が住むペンシルベニア州では未成年の中絶の手術の場合、親の同意を必要として、親に知られたくないから相談に来ているオータムとはここでも意見が合わないのである。
従姉妹で同じスーパーマーケットでアルバイトをしているスカイラーと共にニューヨークに向かって手立てを探すのだが、再検査を受けた産婦人科では手術ができないということで別の病院を紹介してもらうものの、資金が無くなってきたためにニューヨークに来るために乗って来た長距離バスで知り合ったジャスパーという青年と連絡を取ってスカイラーが「体を張って」ジャスパーからお金を借りることに成功する。
これは驚くべきことなのだが、不本意に妊娠してしまった高校生が大人に相談すればするほどますます追いつめられていっており、本作がフィクションでありながらドキュメンタリータッチで描かれる理由は、その厳しい現実を捉えようと試みたためであると思うのである。
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