窮屈な座敷から解放され、外の冷たい空気を吸い込んだ。背後から私を呼ぶ声がした。
「どうだ、いっぱい?」
「んっ。すする方か…」
「すまん。ラーメン嫌いだったな」
「あんなものを有り難がって食うのは貧乏舌ぐらいだ。お前の奢りなら、なんぼでもつき合うぞ」
「相変わらずだな。じゃあ飲みなおすか」
表通りまで出てタクシーを拾い、駅前で降りた。古びたビルの地下にあるBarの重い扉を開いた。
マスターは「久し振り」と言って愛想笑いをした。オイルサーディンを缶ごと焙ってもらう。これにほんの少し醤油を垂らしたのは意外にいけるのだ。ワイルドターキーを舐めるように飲んでいた相棒が話しかけた。
「今年もあと3週間ちょっとか」
「年をとるにつれて1年が短く感じられますよね」とマスター。
私達は顔を見合わせて頷いた。その時Cannonball Adderleyの“Autumn Leaves”が流れ出した。ストロワヤをぐいっと飲み干し、オールド・ファッションドをオーダーした。
「どうだ、いっぱい?」
「んっ。すする方か…」
「すまん。ラーメン嫌いだったな」
「あんなものを有り難がって食うのは貧乏舌ぐらいだ。お前の奢りなら、なんぼでもつき合うぞ」
「相変わらずだな。じゃあ飲みなおすか」
表通りまで出てタクシーを拾い、駅前で降りた。古びたビルの地下にあるBarの重い扉を開いた。
マスターは「久し振り」と言って愛想笑いをした。オイルサーディンを缶ごと焙ってもらう。これにほんの少し醤油を垂らしたのは意外にいけるのだ。ワイルドターキーを舐めるように飲んでいた相棒が話しかけた。
「今年もあと3週間ちょっとか」
「年をとるにつれて1年が短く感じられますよね」とマスター。
私達は顔を見合わせて頷いた。その時Cannonball Adderleyの“Autumn Leaves”が流れ出した。ストロワヤをぐいっと飲み干し、オールド・ファッションドをオーダーした。
