買い物には手さげ袋を持っていく。今流行りのエコ運動に賛同してというわけでもなくて、いつの間にかレジ袋が溜まっていくのが嫌で、ゴミを持ち帰るのを止めただけなのだ。至って身勝手な考えから始まったことである。
マイバッグを使い出して既に1年以上になる。5kgの米袋を入れても底が抜けない頑丈な作りで、普通の買い物ではこれで事足りる。田舎町でもマイバッグを持つ人が増えてきた。
しかし、上には上がいるのをこの前思い知らされた。精肉をトレイから持参のタッパーに移し、血に染まったトレイをゴミ箱にほうる主婦を見かけたのだ。徹底的にスーパーへゴミを捨てて帰る姿勢に驚き「あそこまではできん」と呟いたのだった。
日本が過剰包装の社会であることは確かだが、現代人が簡便性を捨て去ることは容易ではない。ドイツと比べれば非常に後進国である。買い物客よりこの問題を真剣に考えているのはトレイやレジ袋を製造している業者だ。彼らは近い将来を視野に入れて新たな分野を開拓している。