画像を見て「醤油の色がほとんどついていないじゃない」と思った方は東海、関東、東北地方で生まれ育った人だろう。濃口醤油に慣れ親しんだ人に「薄口醤油」の特性を手短に語るのは非常に難しい。
あえて簡単にまとめればこうなる。薄口醤油は濃口よりも若干塩分が高い、色をあまりつけたくない料理(西日本では吸い物、茶碗蒸しなど)に使用することが多い。
食材が醤油の色でしっかりと染まるのが「美味しいそう」と感じる人がいれば、その逆の人もいるということを言いたいのだ。だから私は炊き込みご飯には薄口醤油しか使わない。色をできるだけ淡くしてすっきりした味わいを出すには薄口醤油が欠かせないのである。
私が関東で暮らしていた頃には龍野の薄口醤油が入手困難であった。東京までわざわざ出掛けて百貨店で購入するのが腹立たしいので、定期的に実家から送って貰っていた。だから故郷に再び戻って薄口醤油を手軽に使えるようになった時には涙が出るほど嬉しかった。