日本海側で水揚げされるハタハタを食べるようになってまだ15年くらいだ。備後で生まれ育った私は金沢を旅した時にハタハタの美味しさを知った。犀川の畔の割烹で出された前菜(ハタハタの田楽)は完璧な味だった。
通常我が家ではハタハタの一夜干し(全体に薄塩をあて冷蔵庫で水分を飛ばすと旨味がアップする)を焼いて食べるのだが、思いつきで鍋にしてみた。薄口醤油のかわりに魚醤(しょっつるがあればベスト)を使うとワンランク上の出汁になる。
寒の時期のハタハタ(身)は上品な味わい。やわらかい白子がまた旨い。酒が進むこと間違いなしのシブい小鍋立てである。