受付で100円を払い護摩木と福田海本部境内案内(裏面は鼻ぐり塚)が印刷されたA4版用紙を手に取って中堂の前を通過した。小さなお堂の前にあった御釜が中山通幽師と吉備津神社との浅からぬ関係を物語っていた。昭和七年(1932)に建立された千年塚の碑の脇を歩いて石段を上ると鼻ぐり塚である。

鼻ぐり塚について
かつてわが国の農村では、牛を飼い、田畑の耕作の労役等に使用していました。牛は家族の一員のように大切に育てられました。その際、牛の鼻に穴を穿ち、鼻輪(鼻環、鼻ぐり)をはめ、それに縄を結んで使役していました。やがて牛は飼い主の手をはなれて売りに出され、解体されて肉となり皮となりその最期を迎えます。牛はその一生のすべてを人間のために尽くしてきたといえましょう。
こうした牛の大恩に報いるため、死後残された鼻輪(鼻環、鼻ぐり)を牛の唯一の形見として集めて浄祭することを福田海開祖中山通幽師が発願されたのであります。篤信の方々のお力により全国から鼻輪は収集され、現在もその事業は続いています。
鼻ぐり塚はもと円墳であり、その墳丘上に鼻輪を積んでいます。石室内には真鍮製の鼻輪を溶かして作った阿弥陀の宝号を刻印した金属板が安置されています。また、正面には馬頭観世音菩薩を祀っています。昭和初年に塚が建立されて以来、現在までおさめられた鼻輪の数は七百万を超え、現在も畜類供養のため、春、畜魂祭を行っており、年間数万個の鼻輪が塚におさめられています。

私は鼻ぐり塚前に護摩木を供えて手を合わせた。動物だけでなく植物の命も毎日いただいて生きる人間。しかし、感謝の念すら忘れて暮らしているのが大多数である。


ここに立つと己が業の深い生き物であることを認識できる。牛さん、豚さんの穏やかな表情に幾分か救われた私は備前國エリアへと足を延ばした。

鼻ぐり塚について
かつてわが国の農村では、牛を飼い、田畑の耕作の労役等に使用していました。牛は家族の一員のように大切に育てられました。その際、牛の鼻に穴を穿ち、鼻輪(鼻環、鼻ぐり)をはめ、それに縄を結んで使役していました。やがて牛は飼い主の手をはなれて売りに出され、解体されて肉となり皮となりその最期を迎えます。牛はその一生のすべてを人間のために尽くしてきたといえましょう。
こうした牛の大恩に報いるため、死後残された鼻輪(鼻環、鼻ぐり)を牛の唯一の形見として集めて浄祭することを福田海開祖中山通幽師が発願されたのであります。篤信の方々のお力により全国から鼻輪は収集され、現在もその事業は続いています。
鼻ぐり塚はもと円墳であり、その墳丘上に鼻輪を積んでいます。石室内には真鍮製の鼻輪を溶かして作った阿弥陀の宝号を刻印した金属板が安置されています。また、正面には馬頭観世音菩薩を祀っています。昭和初年に塚が建立されて以来、現在までおさめられた鼻輪の数は七百万を超え、現在も畜類供養のため、春、畜魂祭を行っており、年間数万個の鼻輪が塚におさめられています。

私は鼻ぐり塚前に護摩木を供えて手を合わせた。動物だけでなく植物の命も毎日いただいて生きる人間。しかし、感謝の念すら忘れて暮らしているのが大多数である。


ここに立つと己が業の深い生き物であることを認識できる。牛さん、豚さんの穏やかな表情に幾分か救われた私は備前國エリアへと足を延ばした。
