西条柿は渋があり、そのままでは食べられない。出荷前にドライアイス処理を行なっているのである。
幼い頃、近所に柿の木がいっぱいあった。そのほとんどが実は渋柿で、知らずにかじって「おえーっ」とベロを出した記憶がある。今の子供は渋みなど知らないだろう。
渋柿をもがずに放っておくとオレンジ色になって実が柔らかくなる。完熟によって渋みを感じなくなったものを『ずくし』と言った。中はズヨズヨでタネの周りがグミのようにプリプリしており、とにかく甘い。
中学の時分、『ずくし』を食べ過ぎて翌朝の試験中に激しい下痢に襲われた苦い経験から次第に敬遠するようになった。久し振りに食べてみて、やはり美味しいと思った。干し柿よりは断然こっちだ。ただし腹を冷すのでほどほどに(笑)