続き。
今宵の宿である手白澤温泉は、一日6組しか取らず山道の送迎もしないという孤高の宿。
こんな山奥なのだが、来るなら歩いて来いと言う。最近じゃ新潟の温泉でも500円で東京からバスを出す時代だと言うのに…ユーザーフレンドリーさが全くねえな(笑)。
しかしながら、こんな山奥にも奥鬼怒の大自然の中に溢れる温泉の素晴らしさだけで客が引きも切らずやって来ると言う。紅葉の時期などは何気に年始からでないと予約も取れない人気の宿の様子です。本来ならばそんな敷居の高めな宿のはずなのだが、今回のハイキング部企画が立ち上がった一週間前に何故か土日の予約が取れてしまったため、有志を募ってはるばる女夫渕から雪道を3時間歩いてきた訳だ(笑)。こんな山奥にどうやって材料を持って来たんだろうかと疑問に思うほど、新しくリゾートホテルのような館内である。通された10畳部屋に全員大の字になって倒れこむ。疲れた…全員が疲労に呆然としている(笑)。
「温泉行ってきます~」
早いな。さすがに登山靴を用意して来ただけの事はあるハイキング部部長・山小屋店主。館内奥の温泉は、大きく窓の開けた内湯と、それに続く露天風呂がある。内湯には蛇口がなく、ただただ温泉が流しっぱなしに臼のような桶に溜められているだけで、何とも野趣がある。
そして露天風呂。歓声を上げて飛び込む山小屋店主。いやー、素晴らしい眺めである。その雰囲気を見て私も部屋に戻り、お湯の支度をして露天風呂にドボーン。青白く輝くお湯には湯の花が舞い、硫黄の香りが鼻をくすぐる。とっぷりとしたぬるめのお湯に浸かって仰ぎ見れば、手白沢の源を発する根名草山の雪をかぶった眺めが開け、ここまでの長い歩きも癒される極楽気分のロケーションなのである。
遅れてグッピー氏もZafolia氏もやって来た。大地のエネルギーを吸い込んだ湯に浸かって生き返ったような顔、顔、顔。全員、さっきまではメッタ打ちを食らった齋藤雅樹みたいな目をしていたんだが(笑)。上等のお湯が、一番風呂の貸し切り。気分の悪かろう筈がない。
陶然となりながら湯に浸かり夕食。山の宿にしては食事は妙に洒落ていて、コースっぽくチョコチョコと出て来る料理に舌鼓。気分の良くなったZafolia氏は顔を真っ赤にしてワインを飲みながら相好を崩す。岩魚の中華風ムニエルが美味かった。出て来た時「バーミヤンのバンバンジーの匂いがする」と言ったのは内緒だが(笑)。
部屋にはテレビも何もない。情報から断絶され下界から隔絶された山の宿では、時間を忘れて湯に浸かるのみ。またぬるめで何時間でも浸かっていられるんだな。夜は夜、強い風に雲が吹き飛びすっかり晴れた夜空に煌々と輝く月の下、ぼうと浮かび上がる雪山の景色。星空。沢音。湯の音。たまに糸を引くような流れ星。歩かなきゃ行けないという付加価値と、ここまで来たと言う感慨が、より一層心を満たすのだろうなあ。
今宵の宿である手白澤温泉は、一日6組しか取らず山道の送迎もしないという孤高の宿。
こんな山奥なのだが、来るなら歩いて来いと言う。最近じゃ新潟の温泉でも500円で東京からバスを出す時代だと言うのに…ユーザーフレンドリーさが全くねえな(笑)。
しかしながら、こんな山奥にも奥鬼怒の大自然の中に溢れる温泉の素晴らしさだけで客が引きも切らずやって来ると言う。紅葉の時期などは何気に年始からでないと予約も取れない人気の宿の様子です。本来ならばそんな敷居の高めな宿のはずなのだが、今回のハイキング部企画が立ち上がった一週間前に何故か土日の予約が取れてしまったため、有志を募ってはるばる女夫渕から雪道を3時間歩いてきた訳だ(笑)。こんな山奥にどうやって材料を持って来たんだろうかと疑問に思うほど、新しくリゾートホテルのような館内である。通された10畳部屋に全員大の字になって倒れこむ。疲れた…全員が疲労に呆然としている(笑)。
「温泉行ってきます~」
早いな。さすがに登山靴を用意して来ただけの事はあるハイキング部部長・山小屋店主。館内奥の温泉は、大きく窓の開けた内湯と、それに続く露天風呂がある。内湯には蛇口がなく、ただただ温泉が流しっぱなしに臼のような桶に溜められているだけで、何とも野趣がある。
そして露天風呂。歓声を上げて飛び込む山小屋店主。いやー、素晴らしい眺めである。その雰囲気を見て私も部屋に戻り、お湯の支度をして露天風呂にドボーン。青白く輝くお湯には湯の花が舞い、硫黄の香りが鼻をくすぐる。とっぷりとしたぬるめのお湯に浸かって仰ぎ見れば、手白沢の源を発する根名草山の雪をかぶった眺めが開け、ここまでの長い歩きも癒される極楽気分のロケーションなのである。
遅れてグッピー氏もZafolia氏もやって来た。大地のエネルギーを吸い込んだ湯に浸かって生き返ったような顔、顔、顔。全員、さっきまではメッタ打ちを食らった齋藤雅樹みたいな目をしていたんだが(笑)。上等のお湯が、一番風呂の貸し切り。気分の悪かろう筈がない。
陶然となりながら湯に浸かり夕食。山の宿にしては食事は妙に洒落ていて、コースっぽくチョコチョコと出て来る料理に舌鼓。気分の良くなったZafolia氏は顔を真っ赤にしてワインを飲みながら相好を崩す。岩魚の中華風ムニエルが美味かった。出て来た時「バーミヤンのバンバンジーの匂いがする」と言ったのは内緒だが(笑)。
部屋にはテレビも何もない。情報から断絶され下界から隔絶された山の宿では、時間を忘れて湯に浸かるのみ。またぬるめで何時間でも浸かっていられるんだな。夜は夜、強い風に雲が吹き飛びすっかり晴れた夜空に煌々と輝く月の下、ぼうと浮かび上がる雪山の景色。星空。沢音。湯の音。たまに糸を引くような流れ星。歩かなきゃ行けないという付加価値と、ここまで来たと言う感慨が、より一層心を満たすのだろうなあ。