(画像:井川線フリーきっぷ)
井川線内が2日間フリーで2,300円。
千頭-井川間が片道1,280円ですから、往復で260円お得になります。
つか、乗ろうと思えば昨日も乗りに行けたのか(笑)。
列車は尾盛駅を出発し、いよいよ井川線の終盤戦最大のハイライトである関の沢橋梁を渡っていく事となります。関の沢橋梁とは、大井川鉄道井川線の尾盛-閑蔵間の関の沢川にかかる「ヒンジスパンドレルブレーストアーチ橋」であります。って別に自分は日本橋梁とか松尾橋梁の社員じゃないから難しいことは分からないんだけれども(笑)。
この関の沢橋梁の橋長は114m、水面からの高さはおよそ100m(調べたんだけど正確な数字がない)。宮崎県にある高千穂鉄道の高千穂橋梁(高さ104m)が台風被害により廃止されてしまった今、現存する日本一高い鉄道橋梁となっているんですね。
尾盛駅から関の沢橋梁へのアプローチにかけ、事前に「サービスとしてゆっくり通過しますから、その雄大な景色をお楽しみ下さい!橋は短いですのでね、写真を撮られる方はカメラの電源を入れておいてくださいよぉ!」と伊藤くんの解説。後半最大のハイライトを迎え、そのガイドぶりにもますます熱が入るのであります(笑)。尾盛駅から数えて3つ目のトンネルを抜けると車窓前方に関の沢橋梁の橋脚が見えて来て、列車はスピードを落とし、ゆっくりと橋に差し掛かる。
●大井川鉄道井川線・関の沢橋梁
その1 その2 その3 その4
いやはや、目も眩む高さと言うのはこの事か(笑)。
マジで水面が見えた瞬間、あまりの高さに恐怖を感じたのだがw
防護壁も何もない吹きっさらしの橋の上で列車は止まった。
下を見ると、新緑と小さく小さく流れる関の沢川の清流に吸い込まれそうになる。
やがてゆっくりと列車は動き出し、車輪がレールの継ぎ目を叩くダダン、ダダンと言う音が橋げたを震わせて車輌が揺れる。目を上げれば深い山々の奥底に霞みたなびいて…まさに山峡はるかの絶景。秋は一面の紅葉に包まれて素晴らしいそうだが、今日は新緑の息吹上がる渓谷の上を、列車はゆっくりと飛ぶように走り抜けて行くのでありました。
大井川の渓谷はさらに険しさを増し、南アルプスの山中に深い深い谷を刻みながら流れている。その急峻な地形は「全ての接近するものを阻(岨)む」事から、この辺りは「接岨峡」と名付けられています。列車は川に沿って走ってはいるんだけど、この時期あまりに樹木が濃いのと谷があまりにも深いため、車窓から見えるポイントは限られています。冬の時期なら葉が落ちてもうちょっと違いますかねえ。
接岨峡に沿って、折り重なるように山の稜線がいくつもいくつも見える場所がある。胸前で幾重にも緑の着物を重ねたようなこの景観を誰が呼んだか「山の十二単」。たぶん大井川鉄道の社員のどなたかが考えたんだろうけど、なかなかセンスがあるなと思う訳であります(笑)。
列車は閑蔵(かんぞう)駅と言う忍者のような名前の駅を過ぎ、いよいよ終点の井川に向かってラストスパートをかける。スパートと言ってもスピードは出ないのだけれど…相変わらず蛇行する線路にキイキイと車輪を鳴らし、中が素掘りのトンネルを抜けて、大井川に流れ込む沢を何度も渡る。閑蔵-井川間はこの井川線内では一番距離が長く(5.0km)、その道のりを約20分かけてゆっくりと登って行くのだが、九十九折れの線路の周囲は植林された杉林か密度の濃い森ばかりで、なんだか気が遠くなるほど長く感じられる。
ようやく右手に井川ダムの堰堤が見えて来ると、列車は最後のトンネルを抜けてカーブをキイキイと曲がりながら終点の井川駅にゆっくりと停まった。時間はお昼を少し回ったところで、千頭から約1時間40分を要しました。井川駅の標高は686m、基点の千頭(標高299m)との標高差は387mもあり、さすがに空気は冷たく、山の嵐気が濃く感じられる。
井川駅は、山の斜面にへばりつくように僅かな平地を切り開いて作られた小さな駅。改札を済ませて井川駅の駅舎に入ると、この時期なんとストーブが焚かれていました(笑)。なお、旅客列車が走る井川線はこの井川駅にて終点となりますが、線路はこの先の「堂平(どうだいら)」と言う場所まで続いています(堂平線の入口)。中部電力のダム保守のための資材搬入なんかに使われているそうな。
駅前には1軒のみやげ物屋兼食堂と、しずてつジャストライン(静岡鉄道バス)の「井川駅前」バス停がある。一応、この駅の住所は「静岡市葵区井川」にあるんだけど、「区内の駅」と言われてもとてもそうは思えない(笑)。このバス停に止まる「静岡井川線」は、静岡鉄道の新静岡駅前から終点の畑薙第一ダムまで3時間半を要する本州有数の長大山岳路線バス(HP:静鉄ファンのページより)であります…が、今月で廃止になるんすか!(驚)。途中トイレ休憩あり、車掌乗車と言うかなりレアな路線だっただけに、全国のバスヲタがかなりガッカリしてるだろうなあ。
つか、4年前の晩秋にこの路線バスと同じルートを使ってこの先(っても30kmくらい先だけどw)の赤石温泉と言うトコまで行った事がありましてねえ(と言う訳で井川駅に来たのは2回目です。列車では初めてだけど)。ここには個室休憩まで無料で使える「白樺荘」と言う市営施設があるんですよ。後にも先にも体験したことがないってくらいニュルニュルつるつるしたお湯で、「こんないい温泉がタダで使えるなんて」と感動した思い出があります。まあ、静岡からですら片道3時間くらいかかる、おっそろしく遠いトコでしたがw
閑話休題。
折り返しの時間までは1時間弱。ストーブの焚かれた待合室の壁に並んだ井川線の写真を眺めたり、タバコに火を着けたり、ボーっとしたりしてから駅前の「食堂やまびこ」で昼食にする。井川まで乗って来た人の大半がここでお昼を食べてました(笑)。ま、他に行くトコねえもんなあw井川ダムにある中部電力の資料館くらいですか。つか、ここにバスも来なくなったら、この駅に降り立つ人はいったいどうすれば良いのでしょうか(笑)。
注文した山菜天ぷらそばは、あっという間に出て来た。たぶん井川線のダイヤ的に、折り返しの間で昼食を済ませる人が多いのだろう。そばの味は別にどうと言う事もなかったが、唯一上に載っていたシイタケ天は大ぶりの身がプリプリしてて美味かった(笑)。山里の味だねえ。粗末な湯飲みに無造作に淹れられたお茶は井川茶の新茶。何とも美味かったのはさすがは静岡、お茶どころであります。
駅へ戻ると、折り返しの13:12発千頭行きの改札が始まっていた。
乗車メンツはさっきと同じw
奥大井の大自然を行く列車は、ガイド付きのスローなアドベンチャートレインと言う感じ。また千頭に向かって1時間40分をゆっくりゆっくり下っていくのだが、たぶん時間を楽しむ贅沢ってこう言う事なんだろうねえ。
旅路を盛り上げてくれたガイド兼車掌の伊藤くん、ありがとうw
正直、一日では勿体無い、大井川鉄道井川線の旅でした。
井川線内が2日間フリーで2,300円。
千頭-井川間が片道1,280円ですから、往復で260円お得になります。
つか、乗ろうと思えば昨日も乗りに行けたのか(笑)。
列車は尾盛駅を出発し、いよいよ井川線の終盤戦最大のハイライトである関の沢橋梁を渡っていく事となります。関の沢橋梁とは、大井川鉄道井川線の尾盛-閑蔵間の関の沢川にかかる「ヒンジスパンドレルブレーストアーチ橋」であります。って別に自分は日本橋梁とか松尾橋梁の社員じゃないから難しいことは分からないんだけれども(笑)。
この関の沢橋梁の橋長は114m、水面からの高さはおよそ100m(調べたんだけど正確な数字がない)。宮崎県にある高千穂鉄道の高千穂橋梁(高さ104m)が台風被害により廃止されてしまった今、現存する日本一高い鉄道橋梁となっているんですね。
尾盛駅から関の沢橋梁へのアプローチにかけ、事前に「サービスとしてゆっくり通過しますから、その雄大な景色をお楽しみ下さい!橋は短いですのでね、写真を撮られる方はカメラの電源を入れておいてくださいよぉ!」と伊藤くんの解説。後半最大のハイライトを迎え、そのガイドぶりにもますます熱が入るのであります(笑)。尾盛駅から数えて3つ目のトンネルを抜けると車窓前方に関の沢橋梁の橋脚が見えて来て、列車はスピードを落とし、ゆっくりと橋に差し掛かる。
●大井川鉄道井川線・関の沢橋梁
その1 その2 その3 その4
いやはや、目も眩む高さと言うのはこの事か(笑)。
マジで水面が見えた瞬間、あまりの高さに恐怖を感じたのだがw
防護壁も何もない吹きっさらしの橋の上で列車は止まった。
下を見ると、新緑と小さく小さく流れる関の沢川の清流に吸い込まれそうになる。
やがてゆっくりと列車は動き出し、車輪がレールの継ぎ目を叩くダダン、ダダンと言う音が橋げたを震わせて車輌が揺れる。目を上げれば深い山々の奥底に霞みたなびいて…まさに山峡はるかの絶景。秋は一面の紅葉に包まれて素晴らしいそうだが、今日は新緑の息吹上がる渓谷の上を、列車はゆっくりと飛ぶように走り抜けて行くのでありました。
大井川の渓谷はさらに険しさを増し、南アルプスの山中に深い深い谷を刻みながら流れている。その急峻な地形は「全ての接近するものを阻(岨)む」事から、この辺りは「接岨峡」と名付けられています。列車は川に沿って走ってはいるんだけど、この時期あまりに樹木が濃いのと谷があまりにも深いため、車窓から見えるポイントは限られています。冬の時期なら葉が落ちてもうちょっと違いますかねえ。
接岨峡に沿って、折り重なるように山の稜線がいくつもいくつも見える場所がある。胸前で幾重にも緑の着物を重ねたようなこの景観を誰が呼んだか「山の十二単」。たぶん大井川鉄道の社員のどなたかが考えたんだろうけど、なかなかセンスがあるなと思う訳であります(笑)。
列車は閑蔵(かんぞう)駅と言う忍者のような名前の駅を過ぎ、いよいよ終点の井川に向かってラストスパートをかける。スパートと言ってもスピードは出ないのだけれど…相変わらず蛇行する線路にキイキイと車輪を鳴らし、中が素掘りのトンネルを抜けて、大井川に流れ込む沢を何度も渡る。閑蔵-井川間はこの井川線内では一番距離が長く(5.0km)、その道のりを約20分かけてゆっくりと登って行くのだが、九十九折れの線路の周囲は植林された杉林か密度の濃い森ばかりで、なんだか気が遠くなるほど長く感じられる。
ようやく右手に井川ダムの堰堤が見えて来ると、列車は最後のトンネルを抜けてカーブをキイキイと曲がりながら終点の井川駅にゆっくりと停まった。時間はお昼を少し回ったところで、千頭から約1時間40分を要しました。井川駅の標高は686m、基点の千頭(標高299m)との標高差は387mもあり、さすがに空気は冷たく、山の嵐気が濃く感じられる。
井川駅は、山の斜面にへばりつくように僅かな平地を切り開いて作られた小さな駅。改札を済ませて井川駅の駅舎に入ると、この時期なんとストーブが焚かれていました(笑)。なお、旅客列車が走る井川線はこの井川駅にて終点となりますが、線路はこの先の「堂平(どうだいら)」と言う場所まで続いています(堂平線の入口)。中部電力のダム保守のための資材搬入なんかに使われているそうな。
駅前には1軒のみやげ物屋兼食堂と、しずてつジャストライン(静岡鉄道バス)の「井川駅前」バス停がある。一応、この駅の住所は「静岡市葵区井川」にあるんだけど、「区内の駅」と言われてもとてもそうは思えない(笑)。このバス停に止まる「静岡井川線」は、静岡鉄道の新静岡駅前から終点の畑薙第一ダムまで3時間半を要する本州有数の長大山岳路線バス(HP:静鉄ファンのページより)であります…が、今月で廃止になるんすか!(驚)。途中トイレ休憩あり、車掌乗車と言うかなりレアな路線だっただけに、全国のバスヲタがかなりガッカリしてるだろうなあ。
つか、4年前の晩秋にこの路線バスと同じルートを使ってこの先(っても30kmくらい先だけどw)の赤石温泉と言うトコまで行った事がありましてねえ(と言う訳で井川駅に来たのは2回目です。列車では初めてだけど)。ここには個室休憩まで無料で使える「白樺荘」と言う市営施設があるんですよ。後にも先にも体験したことがないってくらいニュルニュルつるつるしたお湯で、「こんないい温泉がタダで使えるなんて」と感動した思い出があります。まあ、静岡からですら片道3時間くらいかかる、おっそろしく遠いトコでしたがw
閑話休題。
折り返しの時間までは1時間弱。ストーブの焚かれた待合室の壁に並んだ井川線の写真を眺めたり、タバコに火を着けたり、ボーっとしたりしてから駅前の「食堂やまびこ」で昼食にする。井川まで乗って来た人の大半がここでお昼を食べてました(笑)。ま、他に行くトコねえもんなあw井川ダムにある中部電力の資料館くらいですか。つか、ここにバスも来なくなったら、この駅に降り立つ人はいったいどうすれば良いのでしょうか(笑)。
注文した山菜天ぷらそばは、あっという間に出て来た。たぶん井川線のダイヤ的に、折り返しの間で昼食を済ませる人が多いのだろう。そばの味は別にどうと言う事もなかったが、唯一上に載っていたシイタケ天は大ぶりの身がプリプリしてて美味かった(笑)。山里の味だねえ。粗末な湯飲みに無造作に淹れられたお茶は井川茶の新茶。何とも美味かったのはさすがは静岡、お茶どころであります。
駅へ戻ると、折り返しの13:12発千頭行きの改札が始まっていた。
乗車メンツはさっきと同じw
奥大井の大自然を行く列車は、ガイド付きのスローなアドベンチャートレインと言う感じ。また千頭に向かって1時間40分をゆっくりゆっくり下っていくのだが、たぶん時間を楽しむ贅沢ってこう言う事なんだろうねえ。
旅路を盛り上げてくれたガイド兼車掌の伊藤くん、ありがとうw
正直、一日では勿体無い、大井川鉄道井川線の旅でした。