青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

はいからさんが通る

2011年10月23日 14時56分24秒 | 小田急電鉄

(小田急顔を思い出に@海老名検車区)

最近休みの日の午前中は、子供を連れて外に出る事が多い。まあヨメさんも洗濯と掃除のジャマだろうから、いなくなってた方がいいんだよね。先週は鉄道の日だったので小田急も海老名の検車区で鉄道フェスタなるお祭りをやってたのだが、たかだかグッズの販売と車両の展示でアホみたいに人が出ているのは驚きました。展示車両はロマンスカーの10000系と通勤型車両からは5000系、どちらもいつ落ちても(引退しても)おかしくない車両なんですが。5000系は懐かしの「急行箱根湯本・片瀬江ノ島」表示。「…この列車は 分割案内板 Aを 境に 相模大野から 前6両が 急行 箱根湯本行 後ろ4両が 急行 片瀬江ノ島行きとなります…」新宿駅のホームに流れる案内放送が思い出されますね。もう急行は箱根湯本に行かなくなっちゃったし、江ノ島線も10両急行が多くなっちゃったから相模大野からの分割併合もなくなってしまったけど。子供のころの主力車両が最近どんどんと消えて行きますが、それだけお互い歳を取ったのでしょうな。


んで、今日は子供を連れて秦野の大カーブに行って来た。袋小路の田園地帯なんで、入って来る車もないから子供を歩かせるにはちょうどいい。農道を散歩させていたら、軽トラに乗っかって畑仕事に来ていた地元の農家のじいちゃんに掴まって立ち話。

「むか~しは電車なんかこげ茶の一両が一時間に一本くらいだったなぁ」

そんかわり秦野の駅の貨物ホームからここいらの農産物や河原の砂利を運び出していたらしい。秦野と言えば名産がタバコと落花生、今でも秋には「秦野たばこ祭り」なんてーのをやってますが、もうタバコ農家と言うのは一軒もないらしいですね。落花生はまだ結構やってるらしいですが。

「昔ぁ小田原の専売公社に刻みのタバコを売ってるだけで安定して儲かったんだあ」

最近は農家も相続問題で揉めちゃって、地所を売って金に換えちゃう人ばっかりらしいです。まあどこもそうだよね。「農家が嫌で出てっちまったはずのセガレのヨメさんがいっちばんカネにうるさいなぁ!」っだって(笑)。話好きなじいさんで、子供を遊ばせながら小一時間行き交う列車をパチリパチリ。

  

「最近の電車はハイカラな色してるからね、好きな人は時間表持って来て一日中写真撮ってるよ」

MSEとリバイバルカラーのLSEと、先日引退が発表されたJR371系を。次々に走り抜ける特急列車は、そりゃあ戦前の時代を知るじいちゃんから見たらどれもこれもハイカラな色をしておりますでしょうね。ハイカラとはHigh Colorの事なのかなと。すっかり稲刈りも終わり、積まれた藁とひこばえになった田んぼの中、まったりとした空気が流れる秦野大カーブです。
コメント
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