青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

池上線が走る街に

2015年01月25日 22時13分08秒 | 東京急行

(Monoclome Terminal@東京急行蒲田駅)

美しい旧7000系のサイドビュー。モノクロにすると、何となく30年前の東横線渋谷駅…と言う感じがしないでもないですね。屋根の形が違うけど。端正な2段窓、黎明期のステンレス車両らしい側面窓下のコルゲート。逆三角形の東急の社紋はT.K.Kイニシャル時代の「東京急行」という言葉をあてがってみたりもしたくなる。前面に「急行」の赤サボを付けて急行渋谷行きか、はたまた側面に「日比谷線直通」の青サボを付けて各駅停車北千住行きか。


子供と久々に親子乗り鉄な一日だったのですが、「どこへ行くの?」と言われても正直ネタがなくなって来ているのが正直なところ…なので、比較的未履修な東急線、それも多摩川線池上線系統へ行ってみる事にしました。大屋根の下に頭端式の5面4線、乗車降車のホームもしっかり分離してありまして、元々は目黒蒲田電鉄と言う私鉄のターミナル駅だった風格がありますよね。

  

蒲田駅の大屋根の下でで忙しく折り返していく多摩川線と池上線の車両たち。最新型の7000系の隣に、古くは東横線のエースとして君臨した旧7000系の改造車種である7700系が。貫通路を黒に塗られた隈取型のタイプと、赤のラインを引いたシンプルな塗装の2タイプにはなっていますが、見た目は当時のそれをよく残していて単純に懐かしいっすねえ。

  

とりあえずどこまで行くか。子供的にはいっぱい電車があるところがいいでしょう!と言う事で車庫のある雪が谷大塚まで行ってみる事に。7700系が何本か入っているので、御嶽山で途中下車して編成撮りなんぞをしてみるのだが、いかにも私鉄の郊外電車然とした低い屋根のコンパクトなプラットホームにやって来る7700系は絵になるね。最近子供から特定の車両にカメラを向けていると「ねえねえ~このしゃりょう、もういんたいなのお~?」と質問を受ける事案が(笑)。子供からの葬式鉄認定。

  

雪が谷大塚検車区の電留線で憩う池上・多摩川線のメンバーたち。池上線は雪が谷、目蒲線は奥沢に検車区を置いてましたが、目蒲線の分断に伴い池上・多摩川線系統の検車区はここに集約されました。こうして見ると池多摩線の車両と言うのも新旧取り混ぜて意外とバリエーションがあると言うか。新7000系の導入が決まってからこの車輛に一気に変えてしまうのかな、と思ったんだけど、東横筋が日比谷線乗り入れを中止したせいであぶれてしまった1000系の3両ワンマン改造車が増加している感じがします。奥にチラッと唯一残る7200系改め7600系が1編成見えますね…。今日は運用に入ってないのか。

 

雪が谷の検車区の脇を通り抜ける7700系と1000系。ともに東横線からの日比谷線直通車輛としての使命を帯びていた車種ですけど、日比谷線の「車長18mの3扉車限定」って制約は20m車全盛の大手私鉄からしたら厄介なことこの上なく、東横はついぞ副都心線を新しい相手に選んで日比谷線を捨ててしまいました。ただ、そのコンパクトな車両たちは池上線目蒲線系統の車輛の更新のみならず、全国へ譲渡されて中小地方私鉄の体質改善も一気に進めた功績は疑いようがありません。弘南鉄道、十和田観光(廃線)、福島交通、上田交通、北陸鉄道、伊賀鉄道、水間鉄道、一畑電鉄あたりですかね。この車種を導入したのは。

 

東横線で働いていた1000系を3両ワンマン化した1500系は、緑と黄緑のライン。これは新7000系と同様の池多摩線カラーですが、これは旧型車時代の塗装であった東急の緑色をリスペクトしているのではないかと勝手に思っている(笑)。新7000系は丸みを帯びたボディのずんぐりむっくり感が特徴ですな。


環七の立体交差を下って、池上駅へ向かう7700系。東横時代の7000系は「パイオニアサード」と言う外付けディスクブレーキの台車を履いてたんだけど、改造時に廃車した8000系から捻出した台車に換装されてしまいました。地元小田急でパイオニア台車を履いていた初代4000系が特に好きだった私には思い入れのある台車で、今でも福島とか水間に行った旧7000はパイオニアサードのまま走っているそうなので、見に行ってみたいもんです。


蒲田のターミナルを行き交う7700系。自分が小学校の頃、夏休みに東急全線のスタンプラリーに参加したことがあったんだけど、あの時は東横線の主役がこの旧7000系で、目蒲池上線は緑色に塗られた旧型の3650型とか3450型の天下だったねえ…冷房もない車両だったから、炎天下の蒲田でなけなしの小遣いで売店のジュースを飲み、スタンプラリーに特典として付いていた無料券で駅そばを食べ一息ついたのを覚えている。そんな思い出の蒲田で今日も子供と駅そばを食べたのだが、東急の駅そば「渋そば」のかき揚げのカリカリ感は相変わらず最強だね(笑)。

あの頃と比べてずいぶん美味しくなったよね。東急の駅そば。
そんなシメでええんかいw
コメント
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