(京急夜行高速バス・ノクターン号@横浜駅西口)
今回の津軽行に限らず、せっかく遠くに行くのなら時間を有意義に使いたいもの。弘前へは、始発の新幹線を使っても到着が10時半を過ぎてしまう事を考えると、どうしても前日に首都圏を発車する夜行高速バスに目が行く。横浜駅西口を2130発→弘前バスターミナル0715着というノクターン号の時刻は頃合いもよく、これなら平日の朝の風景から撮影が開始出来そう。曜日割引で6,700円というお値打ち感も嬉しく、ネット予約で即決と相成りました。
ちょっと会社を早めに引けて、3列シートのバスの旅。まあ熟睡は出来なかったけど、結構リクライニングが深くて快適ではあった。コンセントくらいあるかなと思ったけどなかったのがちょっと残念。途中岩手の安代JCTを抜けた辺りから路面に雪が目立ち始め、除雪作業のクルマにアタマを抑えられたりとヤキモキしましたが、その後の全力の回復運転にて弘前BT到着は定刻。京急バスと弘南バスの共同で運行されるこの「ノクターン号」は夜行高速バスの草分け的存在で、1986年から30年以上の歴史を誇る伝統の路線。バスは弘前に立ち寄って半分ほどの乗客を降ろした後、終点の五所川原へ向けて去って行きました。
さて、足早に弘前の駅へ。バスの到着の時間を気にしていたのは、弘南線の平日にしか走らない朝の4連での運用を狙いたかったのだ。時間が間に合わなかったら弘前の駅で駅撮りでもしょうがないか…と思っていたんだが、何とか運用のひとヤマ前の普通列車に乗り込めたので弘前から運動公園前駅へ。駅の両サイドが見通しの良いストレートなので、ここで無難に黒石→弘前→黒石の4連運行を収めておきたいと言うのが事前の見立て。
乗って来た電車と、2つ先の館田で交換してくる平日朝の4連運用が、雪煙を上げて国道7号のアンダークロスを抜けて来ました。お、元東急7000形由来のオリジナル顔がバッチリと先頭を務めてくれています。弘南線・大鰐線とも元東急7000形で運用されている弘南鉄道ですが、前面デザインは原型スタイルと中間車に運転台をくっつけた改造型では全く顔の印象が異なる。やっぱ東急東横線由来のこのオリジナル顔が好み。
この日の津軽は、事前の予報通りに北海道を通過する低気圧の影響をもろに受け、強い西風とそれに伴った暴風雪がやって来るという荒れ模様の天気でした。4連が弘前まで行って戻って来る僅か20分でこの天気の変わりよう。横殴りに叩き付けるような粉雪の中を、冷凍庫に突っ込まれたマグロのような凍て付き方で4連が返してきます。こちらサイドの先頭は改造されたペタンコ顔でした。この4連は、弘前市~平川市~黒石市の沿線学生の通学用の輸送力列車として運転されており、車外からでもかなりの客が乗車していたのが伺えました。天気も悪いから余計だっただろうねえ。
事前の予報対策で防寒装備は自分的には万全にして来たつもりですが、初手からこの状況。三脚からカメラを下ろすと、スキマと言うスキマに、溶けずに粉雪が入り込んでいた。寒すぎて溶けない津軽の粉雪。これは機材の守り方も考えて行かないと痛い目に合うかもなあ…と思いつつ、持って来た大きめのウレタンカバー(ノートPC用)をかぶせて機材ごと保護する作戦を考えた。全てがトライ&エラー。先日の北信とはまた違う厳しさがある冬の津軽、それだけにどんな写真が待っているかワクワクもするのでありますが。