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(大鰐駅リターンズ@大鰐駅北口)
とりあえずラッセルの具合はどんなもんかいな、ということで再び大鰐駅へ戻って来た。朝方は僅かに朝陽も差した大鰐線界隈でしたが、結局また天気は雪模様。しかも結構な降りっぷりである。大鰐町は津軽平野の南のどん詰まり、この辺りから東北地方の背骨を成す奥羽山脈と白神山地がぶつかって、平川の谷が狭まって来る漏斗のような地形ですから、弘前の市街と比べてもワンランク雪が深いような気がします。土休日は終日無人となってしまう大鰐駅北口、JRのキップでこっち側から降ろしてくれるのかしら。駅裏のマックスバリュで買い物して行きたい人とかいると思うけど。
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ホームの上屋から垂れ下がる氷柱。そして、JRと大鰐線を結ぶ跨線橋のレトロチックな雰囲気。雪に霞む【弘】【南】【鉄】【道】のパネル看板、割とこの会社は一文字ごとパネルに書いてアピールするの好きですよね。8時の列車が大鰐のホームにゆっくりと滑り込んで、パラパラと乗客が降りて行きます。青いラインを横に二本引いた爽やかなデザインの7031編成。改造顔が混じる弘南線と違って、大鰐線は東急7000の原型顔が揃っているのが魅力の一つでもあります。
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先人の撮影記などをもとに情報を探ると、運行のある日は8時くらいから準備を開始するらしいのだが…今のところ動きはありませんね。積雪は十分なんだがなあ。目算でしかないけど、これで運行しないんならいつすんの?というくらいには積もっているのだ。まあ、運行があるなら大鰐駅発8:50の11列車以降になると思われる。ここから列車の運転間隔が1時間おきになって、ラッセル運行のスジが入れやすいからだ。
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昨日からの強風に雲の流れは早く、雪は強く降ったり弱まったりと目まぐるしい。大鰐駅の構内をとりあえずウロウロとしながらコトの推移を窺っていると、時刻は8:05、駅舎の横の物置(?)から長靴履きのジャージ姿の男性がスタスタと出て来た。あれ…?とその行方を目で追うと、ホームの先から線路に降りて、ラッセルと電機の置いてある引き込み線に向かっていくではないですか!
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男性係員はデッキから機関車ED221の屋根上に登り、やおら竹の長ボウキでパンタグラフ周りの雪を払い落とし始めた。上空には1500Vの架線が張られている中で、足元の不安定な高所作業だが手慣れたものである。どうやらこれでラッセルが動くのは間違いなさそう。ってかこれで動かなかったら泣くぞ(笑)。さすがに確定の赤ランプ、出してもいいんじゃないでしょうか(興奮)。
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雪落としが終わり、小さな体に大きなパンタグラフを雄々しく掲げて出区準備を整えたED221×キ105。自走のための動力を持たないキ105は、このED221がいなければ動く事は出来ません。車歴を紐解けば1926年(大正15年)製造の元・信濃鉄道1形で、御年92歳の超古豪。古豪のラッセル車として、キ105にどうしてもスポットライトが当たってしまうのですけれど、国鉄苗穂工場で1937年(昭和12年)に製造されたキ105が御年83歳ですから、ED221のほうがキ105よりよっぽど年上なのである。信濃鉄道と言っても信越本線を三セク転換した今のしな鉄のほうじゃなくて、今のJR大糸線の前身(松本~信濃大町間)を開通させた私鉄のことですからお間違えなく。
津軽の鉄路の雪神様は、合わせると175歳のスーパーフルムーン。
出動の準備が整ったようです。