青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

暁光田中

2019年05月01日 17時00分00秒 | 飯山線

(雨上がりの朝@足滝~越後田中間)

朝5時半過ぎに森宮野原を発車した1123D。この日の飯山色は、長岡行きの始発列車からの運用になりましたので、まずは個人的にお気に入りの越後田中付近で構えてみることにします。いつもなら駅の津南寄りの田園地帯で絵作りをすることが多かったのですが、この時間だとまだ東側の森に遮られて太陽が回って来ませんので駅を見下ろす丘から。だいぶ日の出も早くなって、5時台でもだいぶ明るいこの時期。農村の人々が朝もはよからみんなで集落の清掃を行っていました。単なるゴミ拾いレベルではなくて、ジイサン連中はスコップ持参で用水路の泥さらい。春普請というヤツですね。カンカンカン・・・と山の上に続く道の踏切が鳴り出し、トンネルの雪覆いから飯山色が飛び出してきました。

越後田中の駅に滑り込む飯山色。河岸段丘のまだ暗いブナの森が鬱蒼とトンガリ屋根の小さな駅を見つめている。さっきの清掃時間には駅前に大勢の集落の人々が集まっていたんだけど、始発列車の到着前にあっさりと解散し、今は人っ子一人見えない。この時間で既に農家としてのひと仕事が終わっているのだから、いったいいつから春普請の作業に勤しんでいたのだろうか。道中朝4時台から草刈りしてるジイサンとか見たんだけど、あなた達ちゃんと寝ているのですか。むしろ寝られなくてしょうがなくて草刈りしてませんか。若干心配になって来るレベル(笑)。

やや湿った空気に靄が掛かったような越後田中の朝。駅の手前で中途にカーブしたレールを見ると、あたかも以前はここが島式ホームの交換駅であったような雰囲気がある。よく見れば手前の倉庫スペースの前、今ではアスファルト敷きになってはいても、線路との段差がいかにも貨物ホームの跡っぽい。田中駅がある上郷上田の集落は、駅周辺と山の上に広大な耕地があるのですが、集められた農産物が積み出されたりしていたのだろうか。

暁の空目指し、エンジン音を高く響かせて列車は津南へ。
ここから津南までは、飯山線は川沿いの断崖絶壁の隘路を進みます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする