青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

マルキューリューイーソー

2019年05月22日 22時00分00秒 | 箱根登山鉄道

(箱根登山新塗装@大平台駅)

東京オリンピックの2020年を限りに廃車が決定している箱根登山鉄道の旧型車群ですが、先日後継のアレグラ号(3000形)が豊川から輸送されたようで、サンナナの愛称で親しまれた103+107号については7月での引退が決まってしまいましたね。そして、それよりもっと驚いたのが、サンナナに増結される単車の109号が入生田に入ったと思ったら突然緑色塗装になって出て来たこと。何の公式アナウンスもなかったので、このサプライズにはビックリ。

本来であれば、行く先短いサンナナ編成をゆっくりと愛でるはずだった・・・のですが、このサプライズにGW最中に箱根へのスクランブル。目ざとく耳ざとい登山ファンが早くも追っ掛けの迎撃態勢を張る大平台界隈。この深い緑は昭和30年代ごろの登山線カラーを意識したもののようですが、新緑の中また違った魅力を函嶺の山に振りまいています。

大平台の坂道を降りて、湯本に向かうリューイーソー109号。こうも緑に塗られると、なんか目蒲線を走ってた東急の3450形のような感じもあったりして。あと、最近使われ始めたレトロな行き先表示板がいいよね。いつもなら強羅行きが明星ヶ岳の大文字、湯本行きが大名行列のイラスト入りなんだけど、絵がなくてシンプルなデザインがより一層雰囲気を引き立てます。

ところで先日、箱根火山は活動の活発化によって噴火警戒レベルが2に引き上げられましたね。前回の活動期(2015年)は小規模噴火まで至ったのだけど、今回はどうだろうか。山の神が鎮まるかかどうかはまさに神のみぞ知るという感じなのだけれど、箱根観光の中心的存在でもある大涌谷付近の入山規制が発動し、箱根ロープウェイが(おそらく)噴火警戒レベルが下がるまでは当面運休となっているので、紫陽花の時期を前にまたも箱根には大きな痛手となりそう。

写真で見る大涌谷定点観測。左が平成25年1月、右が平成31年3月の姿である。ほぼ同じ場所から撮影しておりますが、この写真を見るだけでも大涌谷の噴気活動の活発化というものがお分かりいただけると思う。山は生き物。個人的には登山線に乗って戻ってくるくらいならそこまで心配もしないでもいいのかな、という気もしますし、サンナナとマルキューのコンビが楽しめるのも今だけだからぜひ足を運んで欲しいと思いますけれども、個人個人のリスクの感じ方なんぞ人それぞれなんで、ご自身で判断いただければと思います。「箱根火山の噴火警戒レベルが上がって観光業に風評被害が〜」というお決まりのフレーズ、顕在したリスクを回避する行動を風評被害という捉え方にしてしまう考えには激しい違和感を感じてしまうのでね。

コメント
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