青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

メトロに揺られて~新神戸から湊川~

2023年07月24日 17時00分00秒 | 神戸市営地下鉄

(ミナト神戸は坂の街@新神戸駅)

連休初日のひかり533号は西へ。新横浜を6:00に出て、新神戸が8:30少し前なんだから、まあ新幹線ってのは速い。チャーハン弁当とレモンサワーでウトウトして、車販のお姉ちゃんから買ったアイスコーヒーをチューチューしてたらあっという間に着いてしまった。そうそう、ひかり533号、どっちかって言えば始発の新横浜より途中の小田原・静岡からのニーズがかなり高い。どちらからもかなり大勢のお客が乗って来て、そういう需要が多いんだなあって思いましたよね。両駅にとって、新大阪以西へ出る最速の始発列車なのだからさもありなんと言った感じなのだが・・・

新神戸から神戸市営地下鉄へ。神戸に来たのも久し振りだ。久しぶりに来たら、新神戸から谷上に向かう北神急行が市営になっていた。「山を越えて北区」のキャッチフレーズは、当然ながら「北区」と「帰宅」を掛けているのだろうが、北神急行線は六甲トンネルの掘削にかかる建設費が高額でしてねえ。建設した阪急阪神HDの借入負担も重く、運賃が下げられないという話は聞いていましたけど、市営にするというウルトラCで運賃問題を解決。谷上→三宮が550円から280円は圧倒的改革だ。新神戸の駅に停車する神戸市交1000系。神戸の地下鉄と言えば、なこの顔ですが、聞けば8月をメドに現行の主力である6000系に使用車両を統一し、1000系は定期運用を外れてしまうのだとか。神戸市電から引き継いだといわれる独特のカギっぽい車番のフォントがカッコいいです。

神戸市交の1000系は昭和52年の開業当時からの車両ですが、なんか異国情緒ある顔で、神戸らしいクルマだなあと思っていて。自分は未だに海外に行ったことないけど、「ヨーロッパのどこぞの街の地下鉄です」なんて言われたら「そっかー」ってなるくらいの説得力があったんよね。地下鉄の車両ってのは、都市デザインにおいては街の顔たるべきものなので、神戸の車両はその意味では街の雰囲気にマッチしていたと思うなあ。

新神戸から10分ちょっと、湊川公園で地下鉄を降りて地上へ。神戸電鉄湊川駅。前回来たのが平成27年の夏なので、だいぶご無沙汰である。ただ、神鉄の湊川駅の重厚な佇まいは変わっていない。現在の神鉄線は神戸高速線に乗り入れて新開地まで直通しておりますが、名義上の起点は湊川。アタクシ不勉強で、神鉄の湊川の駅ってのは神戸高速線と接続するために地下化したのかと思ってたのだけど、昭和3年の開業当時から地下駅だったのね。もっとも、その当時は今より少し北側の場所の地下にあったらしいのですが。黄色いホンダビートのお姉さん、決まってるね。

いつも地下鉄から神鉄にパッパと乗り換えてしまうだけなので、あまりつぶさに見たことのなかった湊川の駅。かつての神鉄のターミナルだった地下駅の上は、「神鉄横丁」なんていう一軒飲み屋街になっています。土曜の朝っぱらでもあり、当然ながら何の店も開いてはいなかったのだが、それにしても昭和の味わい深いガード下の飲み屋街然とした雰囲気に惹かれる。正確に言うとガード下ではなく地下鉄線上なのだが、三宮で働いてるサラリーマンが、帰宅途中に市電から神鉄に乗り換えるタイミングでちょっと一杯・・・的なね。そういうニーズがあったんだと思う。往時と比べてだいぶお店は間引かれているようですが、勿論現役の飲み屋街なので、夜にネオンが入ればまた雰囲気が違うのかもしれません。

駅の窓口氏から一日フリー切符を購入し、7年ぶりの神鉄行脚。そして、少し薄暗くて陰鬱な感じは7年前と特に変わらない湊川の駅。轟轟と音を立て、少し塗装の褪せたウルトラマンこと3000系が、「K」のマークを輝かせて湊川のホームに滑り込みます。

コメント
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