青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

朝ラッシュ ことでんアソート アラカルト

2020年02月08日 10時00分00秒 | 高松琴平電気鉄道

(ことでんお堀端構図@高松築港~片原町間)

高松市の中心部を走る「瀬戸大橋通り」と高松城のお堀に沿って伸びることでんの線路。ことでんと言えばここだよね!というほどの有名撮影地ですが、スンマセン、ここの構図、もうちょっと広い場所で撮ってると勝手に思ってました。実際は、真隣の道で通勤渋滞に巻かれている出勤中のドライバーにジロジロと眺められてしまう難儀な撮影地です(笑)。時間が悪かったか。まあそんなん気にしてたら撮り鉄はやってらんないのですけど、行き交うクルマの邪魔にならないように「お堀と艮櫓」の構図を作ります。

時刻は8時前。7時半から9時までがことでんのラッシュのピークで、琴平線と長尾線の車両が頻繁にお堀端を行き交います。琴平線の平日朝は通勤通学客を捌くために2+2の4連を組んで走りますが、この光景を見るとやはり地方私鉄は有給取って輸送力列車の走る平日に来るべきだと思いますよね。通常時の2連とは迫力が違います。まずはトップバッター、旧京王5000系の1100形滝宮行き。京王重機整備の奮闘により、富士急を始め全国の地方私鉄に譲渡された京王帝都のクイーン5000系ですが、この姿を見て「分散冷房型だあ!」と喜ぶくらいには好きな車両です。

ことでんといえば1,435mmの標準軌で敷設されているので、同じ軌間幅の京急車が譲渡されているイメージの方が強いですかね。1200形は、片側4ドアの元京急700形。京急と言えば旧1000形が幅を利かせていた往時、客の乗降時間を短縮するために、普通電車を中心に充当されていた車両でした。渡り板やジャンパ線がないので、京急1000形と比べて何となく優しい顔つきに見えるのは気のせいですかね。後ろに付いているのは京王5000系かな?一昔前の東京(城南地区)に住んでいた電車キッズには懐かしの、京急×京王車による異種格闘技戦。

出ました!「還暦の赤プロジェクト」というファン有志によるクラウドファンディングで京急当時の塗装にリバイバルされた旧京急1000形。こちらでは1080形1081+1082編成を名乗るこの車両、高松の地に蘇った真紅に白帯のあのカラーが、お堀端を駆け抜けて滝宮始発の214列車で築港駅に滑り込んで来ました。この日は築港側に編成が付いていたので中途半端な構図になっちったなあ。出来れば琴平側をお堀端ストレートで撮りたかったのだけど。

長尾線の電車もやって来ました。1300形1303号の瓦町行き。元々は京急1000形の増結車として、文庫や神奈川新町でラッシュ時の特急にくっついたり離れたりしていたグループです。東の空にべったり雲が張り付いてなかなか晴れて来ませんが、検査明けて間もないのかピッカピカな車両でした。ラッシュ時間に長尾から築港へ走って来て、返しは瓦町の側線へ入る運用です。

東の空を見つめながらヤキモキと雲の流れを追い掛けていたのですが、8時半を過ぎてようやく雲の切れ間から日の光が・・・いきなり露出が全開になったのでトビ気味になってしまった1100形の仏生山行き。朝ラッシュの返しで、車庫のある仏生山まで戻る運用です。馬車軌道の1,372mmで走っていた京王帝都の5000系ですが、標準軌のことでんに導入するにあたって、京急の1000形の廃車発生品の台車に履き替えているそうです。富士急行や伊予鉄では狭軌の1,067mmの上を走っていますが、旧京王5000系は移籍先を含めて標準軌・馬車軌道・狭軌と3つのサイズの軌道を走っている。こんな車両もなかなか珍しいかもしれない。

お堀端のカーブを回って来た一宮行きの琴平線と、築港行きの長尾線が艮櫓の前で並びました。最初は4連の一宮行きを中心の構図で撮影していたので、ファインダーの中に緑色が飛び込んできたときはあちゃー、カブったああ!と思ってしまったのだが、落ち着いてもう一台のカメラのズームリングを回して櫓構図に合わせる。この顔がゆっくりとすれ違う様子は、末期の大師線を思い出す光景。京急川崎から乗ると、港町の駅の手前で六郷橋をくぐる急カーブがあるんだけど、あそこを立ち上がって港町の駅に来るまでにゆっくりと上下電車がすれ違うシーンがよく見られたもんです。

長尾線の600形は、旧名古屋市交通局東山線の250形の改造車。名古屋の地下鉄では一番古い東山線は、集電は第三軌条を使用し、建築限界の小さいトンネルの中を走っています。そのため車両の大きさも1両15m程度と小さいんですよね。小回りが利くのでカーブの多い志度線では重宝されているようですが、18mの京急・京王車に比べて収容能力に劣りますので、琴平線や長尾線ではラッシュ時で運用数が増加して車両の使用が逼迫するシーンでしか登場はしないようです。

琴平線カラーの600形。こちらも元名古屋市交通局250形。琴平線の朝ラッシュだけ4連を組んで出て来ますが、やはり収容力に難があるため、ラッシュ後半に登場し仏生山の駅にすぐ引き上げてしまう運用に就く事が多いようです。ちなみに、これ後ろにぶら下がってんのが1070形で、ようは旧京急600形(2代目)なんよねえ。順光側に付いてなくてロストしてしまったんだけど、もったいなかったな。あとで仏生山の車庫に見に行くか。

ラッシュの時間を過ぎ、9時台からは高松築港発の琴平線列車も2連運用に戻ります。お堀端のカーブを曲がって来たのが「しあわせさん・こんぴらさん」ラッピングの1200形一宮行き。「丸金」と言われる金刀比羅宮の紋章(?)でラッピングされた車両で、こんぴらさんにお参りに行くと頂戴できる「幸せの黄色いお守り」の色を模しています。琴平線のラインカラーは、この「こんぴらさん」のイメージカラーである黄色を基調としたデザイン。この丸金というもの、単純な「金」の文字ではないのが何か謂れがありそうですが。

これでだいたい本線筋の琴平線で今日動きそうな車両は全部見れたかな?京急リバイバルカラーが琴平行きに入っていたところを見ると、少なくとも返しの運用はありそう。そっから日中の運用に入るかどうかですが。朝ラッシュに出て来る車両は、ラッシュが終われば仏生山に入庫してしまう事も多いのでね。という事でひとしきり朝の撮影を終えたところで、陣を手仕舞いして沿線に展開してみようと思います。


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