(紅の矢、束の間の邂逅@上市駅)
さて、寺田駅で恵美子に後ろ髪引かれながらやって来たアルプスエクスプレスに乗って到着した上市駅。正味の乗車時間は10分もなかったので車内の様子は割愛(笑)。上市駅は路線図で見ても分かりますが、富山平野の真ん中にも関わらずスイッチバックになった駅でござーます。頭端式ホームに停車するアルプスエクスプレスとレッドアローの並びは、さながら西武新宿のようでもあり。あ、平地のスイッチバックだから飯能ですかね。ただし上市にはプリンスぺぺはありませんけど。
この上市がナニユエにスイッチバックの駅になったのか?つーのも、前述の富山デルタと同様に複雑なる歴史がございます。あまり興味がない人は読み飛ばすのが吉と思いますが、アタクシみたいな「こんな平地の駅なのに何でスイッチバックなの?」と言う物事の背景が気にな人向けに調べてみました。
1、まず大正時代に官営鉄道の滑川駅から立山線の五百石まで蒸気の立山軽便鉄道が開通し、上市駅を開設
2、富山から富山電鐵が電鐵の上市駅まで開通し、軽便の上市駅近くには上市口駅を開設
3、富山電鐵、立山軽便鉄道を買収した上で廃止。軌道を改め電化の上で上市口から滑川まで富山電鐵の路線を開設
4、富山電鐵、上市~上市口駅間を廃止。旧上市口駅を現在の上市駅とする
5、旧上市~上市口の路盤を利用して現在の位置に上市駅駅舎開設、今に至る
と言う事のようです。
かようにこの駅も元々別会社どうしの結節点であったものが、買収や新線敷設に伴う整理統合を経てこうなったようです。上市新駅を作るタイミングが戦後間もなくのゴタゴタとした時期だったんで、土地の買収とか面倒→自社の土地なら文句もないだろ→上市口~上市を廃止し、その路盤に駅を建てたので頭端駅化、そんなところなんでしょうか。おかげで上市の駅前ロータリーは無駄に広かったりする。
地鉄の中でも対富山と言う事になると、滑川以遠は運賃も時間も圧倒的にJRが優勢なんだけど、地鉄の速達性の障害の一因がこの上市におけるスイッチバックでもあるので、もうちっと工夫すれば普通の中間駅になってたのにとも思うんだけど。
そんなこんなでアルプスエクスプレスと特急うなづき@ダイコンカラーのお並び正面打ちも頭端駅の上市ならではの一枚です。出来ればお並びをゆっくり撮りたかったんだけど、ダイヤがカツカツで特急うなづきが進入と同時にアルプスがすぐ発車になってしもた。まつ氏によると上市並びはなかなか条件きついそうですが。
ここからは普通赤矢で電鉄富山方面へ。
車端部のクロスを左右でどっかり貸し切りにしての電車旅もなかなか良いものです。
自販機がある辺りが元大手の特急車だよね。車内マニアには嬉しいテーブル下の栓抜き、ビンのフタを引っ掛けてこじっちゃうよ!
稲荷町で途中下車。
寺田から電鉄富山までは普通に15分ヘッドでバカバカ列車が来ますので、途中下車も気楽なものです。本線と上滝線のホームはお馴染みのくちばし状に分かれておりますが、そのくちばしの間には稲荷町の検車区と車両工場がございます。お目当てだった地鉄最古参の10020系3連はパン上げて通電中…隅にRのついた下ぶくれ気味の優しい表情は、地鉄の好々爺然とした雰囲気。台車こそ長電のクジラさんでおなじみのFS310に履き変わってはいるものの、サイドビューはやはり田窓の日車標準タイプと地鉄に脈々と伝わるスタイルでもありましてぜひ動くところを見てみたいもんですが、残念ながら基本的には平日の朝ラッシュ限定運用。3連と言えども、よーく見るとMMの2連にクハを足した変則3連なんで[運デハデハ運+クハ運]となり編成は貫通しておりません。そのためワンマン運転が出来ないのがアダとなっとりますのでラッシュのみの投入も仕方ないところ。
すっかり晴れ上がった稲荷町の駅を後に、電鉄富山へ…
親子連れが待つ稲荷町の駅に、カボチャおけいはんが入線。
さ、お次は市内線です。
次回へ続く。
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