青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

相州パノラマ絵巻

2017年02月12日 07時29分37秒 | 小田急電鉄

(雪の木道を登る@権現山展望台)

イセツルの鈴川土手から、秦野市内へ移動して来ました。さっき湯本へ下ったLSEの返しを仕留めて終わりにしたいと思います。薄い雪なので、時間の早いうちに撮影しないと溶けてしまうだろうし…。R246の善波峠から名古木(ながぬき)の手前の信号を左へ。秦野の大カーブで撮影していると、山の上にポツンと立つ塔みたいなのが見えると思うんだけど、今から目指すのはそこ。権現山の展望台です。


展望台に上がって眺める、美しき相州の雪晴れ。右に富士を仰ぎ、左に連なる箱根の山並み。とてもこの一枚だけでは表現できないくらいの絵巻物のようなパノラマが楽しめる展望台ですが、山の中腹の駐車場から10分くらいで上がって来られるのでお手軽なスポットです。山の展望台の周囲には桜の木が植えられているので、春の花見の時期は結構な人出で賑わう場所でもあります。


そしてこの展望台から狙うは、秦野権現山展望台からの大俯瞰。小田急線が秦野駅を出て、富士山の方角に向かって真っすぐ伸びているストレート…ようは先日訪問した秦野の富士山バックをここから俯瞰で狙うという構図。同じ目論見の先客さんが一人座を構えてらっしゃいましたが、そこのお隣に入ってセッティングさせてもらいます。俯瞰…と言っても住宅密集地の中の線路ですから、周囲がごちゃついてそこまで線路は目立たないですかねえ。もう列車はどこに走っているでしょうかクイズみたいになっちゃってるのはご愛敬(笑)。ぜひ鳥の目で見て探していただきたく。


秦野・富士山バックのストレートに、LSEのはこね2号が姿を現しました。LSEは朱いからちったあ見付けやすいかと思うよ!(投げやり笑)。一応撮影する時はお顔に架線柱とかビームとかが引っかからないように気を付けて撮りましょう。富士山の山頂付近は太陽が当たって温度が上がってるのか、水蒸気が風で飛ばされているのが見えます。


秦野駅手前のカーブを曲がって行きます。たぶん秦野1号踏切あたり。肉眼では見えませんけど、画像を拡大すると今日も秦野ストレートのカブリ付きには何名かのマニアが陣を張っている模様。富士山の左下、松田山の真ん中に白く雪が積もっているのがチェックメイトゴルフクラブで、新緑とか紅葉の季節はあの山の中腹から渋沢5号~7号あたりを俯瞰するのもいいですよね。


LSEはゆっくりと速度を落として秦野駅を通過。秦野中井ICに繋がる県道との立体交差部分に出て来ました。富士山バックもいいけど、この日は箱根の山々がはっきりくっきり青空に山容を見せていて良かったなあ。大磯丘陵の向こうに、左から二子山・駒ケ岳・神山・下に明星ヶ岳・緩やかな尾根の明神ヶ岳が続きます。箱根の山々に見守られて走るLSE、「小田急の特急ロマンスカー」は国際観光地である箱根の欠かせないアイテムである事に疑いはありませんよね。


秦野大カーブ手前、秦野の浄水場裏を行く。この日は本当に見晴らしが良く、箱根の外輪山と相模灘の向こうに伊豆は天城の万二郎・万三郎岳までが見えました。そう言えば、「小田急線で海バックで撮れる場所」ってあんまり聞いた事がない。そもそも内陸を走っている路線なんでそんな場所を探そうと思った事もないんだけど、あるとしたらここくらいなのかもしれません。
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凍て付く朝

2017年02月11日 16時17分11秒 | 小田急電鉄

(薄雪踏みしめて@鈴川の土手)

予報では木曜日に降るはずだった雪が降らず、なぜか金曜日の夕方から夜にかけて気まぐれな雪。夜に会社から帰って来て自宅の回りが白く染まっている景色に驚いたのだが、色々と情報収集をしたところ神奈川県内でも特に県央~県西にかけての降雪が多かった事が判明。翌日の天気は予報通りの晴れベースとなれば、雪上がりの青空が期待できるのではないか?という淡い期待を込めて早めに布団に入る。翌日6時に窓を開けると、ちょうど満月が丹沢の山の向こうに沈み、白々と明ける空には雲はなく、読み通りに天気が回復したとなればスクランブル発進。寝ているヨメと子供に向けてテーブルに書き置きを残し、イセツル鈴川の土手に上がりました。


神奈川県でもひと冬に1~2回は積もる程度の雪が降りますけど、北側の丹沢山地が寒気の南下をブロックするからなのか、そんな時でも伊勢原~秦野辺りってのが案外雪が降らない地域なんですよね。今日の朝は大山からヤビツ~善波峠あたりの尾根筋も木々が白く着氷していて、この地域にしては降ったほうだと思われる。粉をはたいた程度の雪化粧でも、MSEのフェルメールブルーが引き立ちます。


極めて薄化粧のため、僅かな時間でもどんどんどんどん溶けていく相州の雪。はこね81号でLSEが下って行く頃には、築堤の雪は消えかかっていました。善波峠の向こうに白く煙るのが富士山で、ここのポイントだとその姿は僅かしか見えません。車で冬の晴れた日にR246を走ると、鶴巻温泉から善波峠のトンネルを抜けた瞬間、真っ正面にドデカい富士山が出現して圧巻だったりする。


イセツルの鈴川土手は、構図は大きく取れますけど丹沢の山並みを取り込もうとすると高圧線が厄介で処理が難しい。むしろ線路から開いて箱根側に向いちゃった方が空が大きく使えて好みだったりもする。足元から上がって来る冷気でつま先が痛いんだけど、雪晴れの青空の下を駆け抜ける鮮やかなオレンジバーミリオンを見るとそんな事も忘れてしまいますね。
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カーブにて

2017年02月10日 23時05分04秒 | 小田急電鉄

(久し振りだなあ@向ヶ丘遊園駅前)

先日野暮用があって、向ヶ丘遊園に行って来た。身内の野暮用と言う事で家族抜き運用だったのだが、待ち合わせの身内が少し遅れて来るという好都合。そもそも少し早めに家を出て、ちょっくら顔を出したい場所があったのも事実なのである。今日のお出かけは車でなく電車で。降り立った遊園駅の南口、建物自体は増えたり新しくなったりしているけど、吉野屋と東秀の位置が変わっていないのに安心感を覚える(笑)。


駅を出て右に。何度か使った事のあるトヨタレンタカーの位置も変わっていない路地を抜け、府中街道の下をくぐって五反田川に沿って続く路を歩く。ほぼ専大生の専用通学路と化した道が小田急線に近付くと、そこが小田急線の有名撮影地である通称「遊園カーブ」。ファーストショットは遊園の1番で退避していたリニューアル1000系の改造10連、6+4を運転席潰して強引に10連固定にした改造跡が特徴の編成ですが、もうちっと引き付けなきゃダメね。


お、出場間もないピカピカの7004Fがこの日はスーパーはこね代走で回って来ました。遊園カーブはどちらかと言えば長編成を大きく曲げてインカーブ気味の構図で仕留めたいポイントなので、全長140m余のLSEだとあんまり引き付けすぎるとバランスが悪くなります。LSEの通過を見た通りすがりの子供連れの親子、「ロマンスカーって何色があるの?」「えーっと、白・赤・茶色・青くらいじゃないの?」なんて声が聞こえて来る。別に鉄道マニアではなさそうな若いオトーサン、正解(笑)。


この遊園カーブ、真ん中に折り返し用のY線を挟んで上下線が離れるため、少し歩いて立ち位置を変えれば上り下りをデュアルモードで撮影出来るのが良いところ。この日は天候もちょうど曇りだったので光線状態をあまり気にしないで撮れるのも良かった。太陽の低い冬場は下手に晴れてると光線の陰影で撮りにくい時も多いですから…生田根岸からのストレートを駆け上がって遊園カーブになだれ込むメトロ16000。待ってたんだけど、この日は営団6000を見る機会はなく。淘汰の進みっぷりを感じるのであります。


ちょっと立ち位置を駅寄りに変えてLSE運用のはこね17号はタテ構図の面重視で。僅か線路に沿った200m程度の小道に、かようにバリエーション豊かな構図で愉しめるのがよいところ。ただひとつ、ここで撮っていると常に歩いている専大生の視線が痛い(笑)。


この場所で撮ってる人間は珍しくないので別に向こうはなんも意識してないだろうけど、何となく「いいオッサンのデンシャごっこ」感を嘲笑されているような気がしてならないw(被害妄想)。特に髪型ゆる巻きのちょっとキレイ目風JD4人組とかが後ろで笑ってると気になってしょうがないですねw(自意識過剰)。しかし4000のLEDの切れやすいのはさすがJREの最近の通勤電車に準拠しているだけのことはあるなあ。


江ノ島線には来ない2000系。「8連固定」という性格上、ほぼ新宿~唐木田・本厚木までの限定運用ですが、そんな地味な役回りがかつての2600系を彷彿とさせるのですよね。2600系各駅停車(or準急)が大事な足だった多摩区民であります。新1000とか4000のLEDは撮り鉄泣かせですが、こいつのフルカラーLEDは優秀。


LEDが切れるだのなんだのと文句を言うのなら幕車を撮ればいいじゃないという感じでやって来た快速急行の1000系。かつての藤沢方面行きは湘南急行なんてニックネームもありましたが、あれはあれで残しても良かったんじゃないかと思っている。小田原方面行きは西湘急行とかにして(笑)。


身内から「遊園に着いた」との連絡。んじゃそろそろ行くか。最後に一発、と思って来たのが犬も食わない3000系(笑)。遊園1番で急行が退避する光景と言うのには未だに慣れないなあ。個人的には遊園1番は止まりの2600系の中を追い出しで駅務が駆け回ってる姿だったり、各停に乗り換える間に実に魅力的にホームに漂う箱そばのツユの香りであったり、ロマ改の横にあった木造の駅員詰め所だったりと思い出は尽きないのである。


遊園1号がなくなったのも、知ってたけど地味~にびっくりしたよね。まあとにかく年中閉まっている踏切だったから、ピーク時間は待ち人のイライラがマックスになる。遊園の南口改札にいると「(お前らのせいで)踏切が開かねえから(駅の中)通せ!」とか無茶を言うジジイとか結構いましたねえ(笑)。
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疾走、朱い矢の如し

2017年02月06日 22時06分28秒 | 小田急電鉄

(威風堂々11連@開成2号踏切)

出場した7004Fの塗装のピカピカなうちに仕留めてしまおうというファンが多いのか、この日は追っかけ勢が多くいた小田急線界隈。LSE2本体制、なおかつダイヤ的に約30分~40分の間隔での続行運転ですから撮影の効率も良かったのかもしれませんな。と言う訳で我が家ご一行も午後のいい光線を追っ掛けて開成界隈まで。願わくば先日の富水ストレートのリベンジ戦なのですが、おそらく追っかけ勢の多さを鑑みるにいいポイントは望めないだろうと言う事で次善の策であります。西丹沢の前山にやや雲がかかるものの、基本的には青空ベース。箱根の山の向こうから差す午後の日射しも申し分なし。まーしかし直前に上りEXEの通過があってヒヤヒヤさせられました(笑)。富水に続いての連敗は許されません。

EXEが抜けてホッとしたのもつかの間、ファインダーの中に飛び込んで来たオレンジバーミリオン。
ファンが待ち受ける開成2号を、化粧直しを終えたばかりの千両役者が駆け抜けたのでありました。
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丹沢の青い山脈

2017年02月05日 15時00分00秒 | 小田急電鉄

(西丹沢の尾根背負い@秦野大カーブ)

7003Fの返しを再び秦野大カーブで。この秦野大カーブ、広い田園地帯を北東から西に向かってカーブしていく線形なので、太陽の動きに合わせて場所替えすればどっかしらが順光になるため一日いても楽しめます。下り線はアウトカーブの築堤をちょこっと見上げ気味に、上り線は少し線路から離れて大きく西丹沢の山並みを入れ込む構図が定番になります。ちょっと望遠で圧縮したら陽炎が出てしまったのだが、存外に暖かかったのが読み違いである。かように写真は難しい。


山並み重視の構図のサブカメは子供が広角で。バックの秦野浄水場が工事中なのが少々目障りだなあ。山の事はそこまで分かんないけど、ここから眺めるのは寄(やどろぎ)あたりから鍋割山を通って塔ノ岳に続く尾根じゃないかと思われる。「寄」と書いて「やどろぎ」と読む西丹沢の集落は神奈川県の難読地名ですが、西丹沢登山のベースキャンプになる場所です。新松田から富士急バスが出てますね。登山の客が多いけど、渋沢~新松田の四十八瀬界隈を通ってくれるので歩きでテツやる人にも便利なバスです。

鍋割山の山小屋は、その名前に引っかけたのか鍋焼きうどんが有名らしい。
検索すると山の話より鍋焼きうどんばかり出て来るのだが、そんなに美味いならいっぺん食ってみたいもんだ(笑)。
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