青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。写真はおおめ、文章はこいめ、コメントはすくなめ。

三河湾、梅雨の朝を鮮やかに。

2023年07月08日 07時00分00秒 | 名古屋鉄道

(にしがま線リターンズ@名鉄蒲郡線・形原駅)

梅雨のとある週末。一応の晴れ予報に一日お暇をいただいて、夜の新東名を一走り。西側に行くのも久しぶりな感じだったのだけど、新東名はやっぱり走りやすいねえ。静岡県を軽く一跨ぎして、三ケ日から東名本線へ。音羽蒲郡ICから三ヶ根山を抜けて、やって来たのは蒲郡の街。昨年の暮れに、思い付きで乗った名鉄の蒲郡線。中京の大手私鉄である名鉄の末端部分、のんびりしたローカルムードに惹かれた。そんな雰囲気をファインダーに閉じ込めたくて、ファーストショットは形原駅。三河湾に沿う漁港街、朝早い駅にのっそりと現れた白帯の6000系を、部活に出かける子供たちが待っています。

駅前のバス停は、蒲郡と西浦温泉を結ぶ路線のもの。形原の駅から、かつては温泉へ向かう行楽客もいたのだろうか。県道の踏切をゆっくりと横切って行く蒲郡線の真っ赤な車両。最近は名鉄もアルミやステンレスの車両が増えて、赤一色という感じもしませんですけど、ここで走っているのはそれこそ自分たちが子供のころに見た、正統派の名鉄らしい真っ赤っかなスカーレットの車両たち。思ったほどは晴れなかった梅雨空の朝、三河路の一日をどう切り取ろうか・・・そんな事を思いながら、列車を見送りました。

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早くも半年が過ぎて。

2023年07月05日 23時35分10秒 | 箱根登山鉄道

(紫陽花の季節@大平台隧道東口)

もう6月も終わってしまい、今年も上半期が終了。相変わらず季節の過ぎ行く早さが恨めしく、そして過ぎ行く季節を目にしてあれやこれやと撮りものを探しつつある週末の暮らしである。ま、とはいえ最近はすっかりやることもルーティン化しているような感じで、6月になったらとりあえず箱根に行く。梅雨で天気もすっきりしないし、あんまり天気の良くない中で遠出するくらいなら、朝から半日とりあえず大平台でも行って紫陽花眺めてくるかなあ・・・くらいの感じ。んで、大平台で昼まで撮って、帰りは最近ひいきにしてる風祭の温泉でひと汗流して14時くらいには家に帰るのが、ちょうどいい休日の過ごし方。

梅雨空の大平台隧道東口、ここの紫陽花が好きだったんだが、花付きが悪くなったのか全部抜かれてボウズになってたんだよな。苗木を植え直して毎年毎年木が育って、とうとうここまできれいに花付きが戻ってくれた事に感謝している。遠くから山にこだまして聞こえてくる電制の音、隧道の中から押し出されてくる冷気に涼んでいると、石積みの隧道の坑口から、108が姿を現しました。

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デハクハコンビ、梅雨雲の下を。

2023年07月03日 17時00分00秒 | 上信電鉄

(デハクハコンビ・富岡ローカルに立つ@上州富岡駅)

夕方の富岡ローカルに入ったデハクハコンビ。富岡市は、鏑川沿いの西上州の中心都市で人口は5万人弱。高崎から碓氷峠を通って軽井沢へ抜ける中山道の脇往還として、古くから陣屋町・宿場町として栄えた町でもあります。この町を有名にしたのは、ひとえに明治維新からの官営・富岡製糸場の開場に尽きるのですが、上信電鉄の乗客の流動的にもここで一段落ちる。そのため、一日に三往復くらい富岡折り返しの電車があって、ダイヤ上のアクセントになっています。

この日のデハクハ、夕方の富岡ローカルを一往復こなした後、下仁田行きになって下仁田で滞泊の運用となっていました。折角なのでひと乗車してみようかという事で、上州富岡から上り高崎行きの客に。前の方の車輛に集中しがちなワンマン列車、ガラガラなデハ252側に陣取って流れゆく車窓の景色に身を任せつつ、少し疲れたのかうつらうつら。梅雨時の西上州、夕暮れもないような麦畑の中、鏑川を渡り、田園風景を走る列車に揺られながら過ぎて行きます。

何となくそのまま帰るのは勿体ないような気がして、根小屋の駅でデハクハを見送る。夜が迫ってきた高崎の街はずれ。駅員さんが一人また一人と、家路に就く乗客たちから丁寧に切符を回収する。いつもの上信電鉄の風景なのだけど、そこらへんの機微と言うか空気の流れ、大事にしたいなあと思わせる何かがあります。

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地方私鉄の苦労と苦悩。

2023年07月01日 10時00分00秒 | 上信電鉄

(安全の証、ミドリ十字@吉井駅)

上信電鉄の駅に大きく垂れさがっているミドリ十字の旗。工事現場とか交通事業体なんかでよく見るこの旗は、「株式会社日本緑十字社」というところが作っている「安全衛生旗」というものらしい。構内踏切の向こう、ちょっと古めかしいトタン屋根とモルタルの駅。その改札口に、大きな緑の旗が良くマッチしている。この旗一枚風になびいているだけで、いかにも「現場!」という感じが強くなるからだろうか。

吉井駅の、おそらくは元貨物ホームであったスペースには、現在上信電鉄の施設区(保線の詰所)が設置されています。無数に積み上げられたレールの継ぎ目の部品や枕木、安全帯や絶縁のためのゴム手袋なんかが大量に干ささっている様子を見ると、男の職場だなあって感じがします。この日も上信電鉄の保線職員がトラックから荷物を積み下ろししている光景を見ましたが、全国の地方私鉄、運転や駅務だけでなく、どこも保線作業や饋電管理に充当出来る職員の数も予算も相当に厳しいのが現状です。実際、上信の線路ってのはなかなか揺れますんで、保線と言っても本当にダメなところを交換して持たせる、みたいなギリギリのところでやってるんだと思いますが・・・夏暑く冬寒い屋外作業、作業環境も危険と隣り合わせですから、大変な仕事です。

日々の保線が、未来に繋がるそのレール。小学生の下校の時間。電車通学なんだね。彼が大人になるまで、鉄路は残っているだろうか。それとも、免許を取ったら、もう電車なんか使わないだろうか。そういう意味では、日本一自家用車の所有率が高い群馬県の地方鉄道ですから、ここからどうやって存続して行くのかって大事な話。富岡市内も国道254号のバイパスがどんどん東へ伸びていて、これが藤岡まで繋がるようだと相当に日々の人流は変わりそうですしね・・・。

そんな群馬県、何かと鉄道に対する政策は充実していて、県のブレインが総合交通政策の中で中長期的なビジョンを発表していたりする。この日に使った「ぐんまワンデーパス」も「GunMaas」というアプリでスマートフォン購入したのだが、こういう交通補助事業も群馬県の肝煎りの事業。そもそも富岡製糸場の世界遺産認定で群馬県が補助金で上信電鉄に導入したのがこの7000系。新車プレゼントだもん、気前がいいよね。

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