tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

當麻寺のボタン(1)奥院(おくのいん)

2020年04月30日 | 写真
先日、「長谷寺ではボタンの花を切り落としている」というショッキングな話を紹介した。「當麻寺のボタンは、大丈夫だろうか」と心配していたところ、昨日(2020.4.29)の毎日新聞と奈良新聞に「當麻寺のボタンが見頃」という記事が出ていた。今日からは、ちょうど七十二候の第十八候「牡丹華(ぼたんはなさく)」(4/30~5/4頃)だ。居ても立ってもいられなくなり、昨日(4/29)、當麻寺にお参りした。奥院、西南院、中之坊の3つの塔頭を訪ねたので、1ヵ所ずつ紹介する。


参道でも、ボタンや藤が花盛り!






本堂、金堂、講堂は4/27(月)から拝観を停止している

なお「ウエザーニュース」(4/30付)《七十二候「牡丹華」王者の風格漂う牡丹について知ろう》によると、

今日からは七十二候「牡丹華(ぼたんはなさく)」です。中国では「花の王」と呼ばれ、華やかさの象徴とされる牡丹。日本でも「高貴」や「王者の風格」といった花言葉をもっています。


向こうに東西両塔が見渡せる







牡丹はどんな花? どの花にも負けない存在感や美しさがある花ですが、もともとは観賞用ではなく、薬として使われていたそうです。また、猪の肉を使った鍋を牡丹鍋といいますが、昔は赤い花を咲かせる品種が多かったこともあり、牡丹といえば「赤」というイメージでした。そのため、名前に赤を表す「丹」が使われています。現在では白や黄色、ピンクなど様々な色のものがあり、私たちを一層楽しませてくれます。



似て非なるもの そんな牡丹とよく似た花に「芍薬(しゃくやく)」というものがあります。写真だけでは、どっちがどっちだか…牡丹も芍薬も同じボタン科ボタン属で、花の形もよく似ています。しかし、ある部分に注目すると案外簡単に見分けが付くようになるんです。







【葉の形】牡丹の葉というのは、ツヤがなく、切れ込みが入っています。先が3つに分かれているのが特徴です。一方、芍薬の葉は、ツヤツヤしており、切れ込みはありません。





庭では、清楚な石楠花(シャクナゲ)も咲き始めていた

【木?それとも草?】もう一つの大きな違いとして、牡丹は木本性なのに対し、芍薬は草本性ということ。草である芍薬は、細い茎の先端に一輪の花を咲かせ、落葉低木の牡丹は一枝に二輪ほど花をつけます。





花のように美しく 皆さんは「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉をご存知でしょうか。初めて聞いた人は、なんのこっちゃ??と思うかもしれませんが、これは美しい女性の立ち振舞を形容したもの。





茎がスラリと伸びた芍薬は、立ち姿が美しい女性。枝分かれした先に花をつける牡丹は、上品に座っている女性。さらに、風に揺れる百合の花は、まるで優雅に歩く女性のように見えることから、このように言われるそうです。男性としては、こんな女性に出会ってみたくなりませんか?







咲くまでの過程に注目 実は牡丹には、春牡丹・寒牡丹・冬牡丹の3種類があります。春牡丹は、4月下旬~5月頃に見頃を迎える一般的なもの。寒牡丹は10月~1月、冬牡丹は1月~2月頃に花が咲きます。「寒牡丹も冬牡丹も寒い時期に咲いているけど、違いはあるの?」冬牡丹というのは、温室などを利用し、春牡丹を人工的に冬に咲かせたものです。







一方、寒牡丹は春と冬の二季咲きの品種となっています。大きく違う点として、冬牡丹は人の手が加わらないと、冬に開花することができません。しかし、寒牡丹は、時期が来れば自ずと冬頃に開花します。花だけを見ると、なかなかわかりにくいかもしれませんが、咲くまでの過程に注目すると全く異なるものなんです。







おさらい七十二候 1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、それぞれをさらに6つに分けた24の期間を「二十四節気」といいます。そしてこれをさらに初候、次候、末候の5日ずつにわけて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候です。二十四節気と七十二候は、その日だけではなく、二十四節気であれば15日間、七十二候であれば5日間の期間も指しています。

3つの塔頭の中でも、奥院が最も広い。石や石仏を配した庭で見るボタンは格別の味わいがある。では続きをお楽しみに!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする