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杉の巨木に守られた御杖神社/毎日新聞「やまとの神さま」第19回

2022年09月29日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。先週(2022.9.22)掲載されたのは〈ここに宮を…倭姫命の杖/御杖神社(御杖村)〉、執筆されたのは奈良まほろばソムリエの会会員で奈良市在住の坂口隆信さんだった。
※写真は、御杖神社拝殿。両脇はご神木の上津江(かみつえ)杉=御杖村神末(こうずえ)で

この神社、私は未訪問だが、拝殿の前にこんな杉の巨木があったとは、初めて知った。樹齢600年というから、室町幕府第三代将軍・足利義満の頃に植えられたということになる。写真に出ている2本以外にも、何本もの杉の巨木があるそうだ。では全文を紹介する。

御杖村を横断する伊勢本街道から少し南に入った、神末(こうずえ)川西岸のこんもりとした森の中に、御杖神社は鎮まっています。

社伝によると、三輪山麓(さんろく)に宮があったとされる第十一代垂仁天皇の皇女であった倭姫命(やまとひめのみこと)が、天皇の勅命により、天照大神(あまてらすおおみかみ)の御杖代(みつえしろ)となり、大神宮の候補地を求めて、大和国笠縫邑(かさぬいむら)から各地を巡幸したとされています。

この地を訪れた倭姫命は、候補地の一つとしてしるすため、自分の「杖」を残しました。当社でこの杖を祭ることから、御杖村の村名が付けられました。

御祭神は、行路の安全を守護する久那斗神(くなどのかみ)、悪や災いを塞ぎ守る八衢(やちまた)二神(八衢比古神(やちまたひこのかみ)と八衢比女神(やちまたひめのかみ))の3柱です。

伊勢神宮と関係が深く、大和と伊勢の国境に位置することから、かつては悪霊を防ぐ道饗祭(みちあえのまつり)が行われていました。

現在の本殿は神明造りで、入母屋造(いりもやづく)りの拝殿の両脇には、樹齢600年と伝わる、御神木の「上津江(かみつえ)杉」がそびえています。

御杖神社が鎮座する、神末の地名も倭姫命の杖に由来しており、神末は、伊勢本街道における大和国の最後の宿場町でした。現在も往時がしのばれる、道標や常夜灯などの風景が残っています。(奈良まほろばソムリエの会会員 坂口隆信)

(住 所)御杖村神末1020
(祭 神)久那斗神・八衢比古神・八衢比女神
(交 通)近鉄榛原駅から曽爾村役場行きバス「掛西口」乗換え、御杖ふれあいバス「神末中村」下車、徒歩すぐ。駐車場有
(拝 観)境内自由


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