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田中利典師の「天下泰平の祈り」

2024年12月02日 | 田中利典師曰く
今日の「田中利典師曰く」は、〈祈り〉(師のブログ 2017.3.26 付)。毎日の勤行で、師は〈天下世界の安泰や三界万霊の供養が先で、個別のお祈りは後〉とお書きである。しかも〈多くの日本の寺社でのお祈りとはそういうもの〉とも。つまり、この国は多くの寺社のこのような日々のお祈りによって守られているということで、これは有り難いことである。以下、全文を紹介する。
※トップ写真は、大仏池と大仏殿。2024.11.27撮影

「祈り」
私は毎日の勤行で、まず「天下泰平・万民豊楽・風雨順時・五穀豊穣・国土安穏」をお祈りする。それから自坊林南院の「伽藍安穏・寺門興隆・林南院信徒各々家内安全諸難消滅」を念じる。その後、境内に出て三界万霊供養塔の前で、三界万霊のご供養と大東亜戦争戦没者・南方戦線物故者・硫黄島戦没者の追善供養をお祈りしている。

もちろん時には信者さまの個別のお祈りや追善供養も入るが、天下世界の安泰や三界万霊の供養が先で、個別のお祈りは後になる。...たぶん祈祷寺院だけではなく、多くの日本の寺社でのお祈りとはそういうものなのだと思っている。

つまり、(今の浄土真宗はしらないけれど)、この国は常に多くの寺社によってお祈りをされた1日1日を過ごしているのである。頼まれてやっているわけじゃなく、そういう形でこの国の寺社は存在してきたのではないだろうか?これはなにも特別な例ではなく、東大寺の修二会(お水取り行事)や薬師寺の花会式(はなえしき)をはじめ、特異な年中行事だけではなく、ふつうに、いまもずっと続けられているお勤めだと思うである。

とかく葬式仏教と揶揄(やゆ)され続け、お寺の存在が問題になっている事情を目にするが、そういう側面を僧侶が担っているという現実もあることを書いておきたい。いや、僧侶自身が自信を持ってそういうお話をするべきときなのではあるまいか。なんか、とやかく言われそうな、突っ込みどころ満載の書き込みであるが、敢えて書いてみた。
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