tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

宍道湖七珍( in 日本料理 松江 和らく)

2012年02月01日 | グルメガイド
1/27(金)~28(土)、同僚のSくんと島根に出かけてきた。出張ではなく「神話博しまね」(7/21~11/11)を控え、神話の国・島根の様子を見ておきたいと思い立ったもので、「視察とブログ取材」といった趣きである。1/28は、古事記献上の日(和銅五年正月廿八日)にあたるので、「古事記献上1300年目の当日を、出雲で過ごそう」という意図もあった。

「日本料理 松江 和らく」外観(下の写真も)。同店のホームページより

奈良⇔松江・出雲の交通アクセスを試したかったので、行きは二手に分かれ、Sくんは在来線の特急を乗り継ぎ、私は高速バスを使った(梅田・阪急三番街発)。松江への到着時間はほぼ同時の予定だったが、私は15分早く着き、Sくんは途中の積雪のため30分遅く着いた。その後の予定が決まっていたので、Sくんは足止めを食らった倉吉駅で札幌ラーメンを食べる羽目になったが、私は時間に余裕があったので、予定通り「宍道湖七珍(しんじこしっちん)」をいただくことにした。


HP「神々のふるさと 山陰」によると《宍道湖で特に自慢したい食材が「宍道湖七珍」。「すもうあしこし」(相撲足腰)と覚えてくださいね》。スズキ、モロゲエビ(テナガエビ)、ウナギ、アマサギ(ワカサギ)、シラウオ、コイ、シジミ(ヤマトシジミ)の7種類の魚介類が七珍である。《島根県の東北部に位置する宍道湖は、淡水と海水が混ざりあう汽水湖となっている。この周囲四十七キロの広い湖の、松江市・玉湯町・宍道町・斐川町・平田市各水域で、季節ごとに海水の混じり方が異なる。こんな宍道湖で獲れる魚介類の中から、"宍道湖七珍"と称される独特な郷土の味覚が誕生しました》。

宍道湖七珍のせいろ蒸し。ツユをかけて「だし茶漬け」風にすることもできる

《しかし、宍道湖の魚介類はあまりにも多彩なため、七珍にしぽるまでには数々の議論があったといわれています。七珍の起源は、昭和五年(1930)、松井柏軒が松陽新聞に「宍道湖の十景八珍」を発表し、連載したのが始まり。しかし「アカガイやゴズ(ハゼ)が入らないのはおかしい!」「魚介類だけでなく、鴨も加えるべきだ」と当時の食通から意見が飛び交い、「八珍」が「七珍」になるほどなかなか論議は進まなかったといいます。宍道湖が豊かな湖である証拠でしょう》。

宍道湖といえばヤマトシジミ。同店のしじみ汁には、野菜もシジミもたっぷりだった

このうちスズキ(鱸)は、古事記に登場する。大国主の国譲りがめでたく成立し、天の御饗(みあえ=ご馳走)を誂えるとき、「口大(くちおお)の、尾翼鱸(おはたすずき)」(口の大きい、尾や鰭のピンと張ったスズキ)がお目見えするのである。今も当地には「スズキの奉書焼き」という名物(高級)料理がある。

表紙は、スズキの奉書焼きとしじみ汁

宍道湖七珍は旬の時期が違うので、すべてを生でいただくのは難しいのだが、JR松江駅前の「日本料理 松江 和らく」(島根県松江市御手船場565)では、これらをせいろ蒸しにし、「宍道湖七珍せいろ膳」1,980円として提供していた。堂々たる店構えで、一見、敷居が高そうなのだがメニューが豊富で、予算に応じて楽しめる人気店である。次回は「泳ぎイカ」(専属の漁師が獲ったイカを生け簀から上げて調理したもの 3,000円~)を食してみたいものである。


古事記の「海の幸彦・山の幸彦」の舞台は九州だとされているが、松江も出雲も奈良と違って、山の幸と海の幸の両方が味わえるところがいい。神話博訪問の際は、ぜひ魚介料理も予定に入れておきたい。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 清澄の里 粟 三浦雅之さんが... | トップ | NPO・社会的企業のための資金... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
祝神話博しまね (MAGIC)
2012-02-22 21:45:13
 島根県では古事記1300年のイベントがあるらしく、今年は山陰に足を延ばそうかと思います。まず鳥取県の白兎海岸での白ウサギの話のあと、オオクニヌシの神は、八十神にいじめられたあたりが鳥取県日野郡あたりで、その後根之堅洲国のスサノオ神からも試練を受ける。このあたりは島根県安来市の富田八幡宮の境内社須賀神社あたりになろうかと思います。近くには、古代出雲王陵の丘と言う弥生大型墳丘墓の一種四隅突出型墳丘墓の密集地帯があるそうです。イザナミ神の神陵地である比婆山にも寄ってみたい。そうやって島根県松江市にある黄泉平坂のある揖夜神社に寄って、出雲大社や古代出雲歴史博物館のある島根県出雲市へと向かいます。こうやって、オオクニヌシの神の移動に合わせて観光するのも一興だと思います。古代歴史博物館に飾られている錆びずに出土した奇跡の大刀は、中間地点の安来市から出土したらしく、ここはたたら吹き製鋼法を伝える和鋼博物館や、日本庭園世界一の足立美術館などもあります。
返信する
新たな科学技術哲学を探して (元鉄鋼商社関係)
2024-11-12 02:33:34
それにしても古事記はすごいよな。ドイツの哲学者ニーチェが「神は死んだ」といったそれよりも千年も前に女神イザナミ神についてそうかいてある。この神おかげでたくさんの神々を生まれたので日本神話は多神教になったともいえる。八百万の神々が出雲に集まるのは、イザナミの死を弔うためという話も聞いたことがある。そしてそこから古事記の本格的な多神教の神話の世界が広がってゆくのである。私の場合ジブリアニメ「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」の感想を海外で日本の先進的な科学技術との関連をよく尋ねられることがあった。やはり多神教的雰囲気が受けるのだろうか。
返信する

コメントを投稿

グルメガイド」カテゴリの最新記事