1/27(金)~28(土)、同僚のSくんと島根に出かけてきた。出張ではなく「神話博しまね」(7/21~11/11)を控え、神話の国・島根の様子を見ておきたいと思い立ったもので、「視察とブログ取材」といった趣きである。1/28は、古事記献上の日(和銅五年正月廿八日)にあたるので、「古事記献上1300年目の当日を、出雲で過ごそう」という意図もあった。
奈良⇔松江・出雲の交通アクセスを試したかったので、行きは二手に分かれ、Sくんは在来線の特急を乗り継ぎ、私は高速バスを使った(梅田・阪急三番街発)。松江への到着時間はほぼ同時の予定だったが、私は15分早く着き、Sくんは途中の積雪のため30分遅く着いた。その後の予定が決まっていたので、Sくんは足止めを食らった倉吉駅で札幌ラーメンを食べる羽目になったが、私は時間に余裕があったので、予定通り「宍道湖七珍(しんじこしっちん)」をいただくことにした。
HP「神々のふるさと 山陰」によると《宍道湖で特に自慢したい食材が「宍道湖七珍」。「すもうあしこし」(相撲足腰)と覚えてくださいね》。スズキ、モロゲエビ(テナガエビ)、ウナギ、アマサギ(ワカサギ)、シラウオ、コイ、シジミ(ヤマトシジミ)の7種類の魚介類が七珍である。《島根県の東北部に位置する宍道湖は、淡水と海水が混ざりあう汽水湖となっている。この周囲四十七キロの広い湖の、松江市・玉湯町・宍道町・斐川町・平田市各水域で、季節ごとに海水の混じり方が異なる。こんな宍道湖で獲れる魚介類の中から、"宍道湖七珍"と称される独特な郷土の味覚が誕生しました》。
《しかし、宍道湖の魚介類はあまりにも多彩なため、七珍にしぽるまでには数々の議論があったといわれています。七珍の起源は、昭和五年(1930)、松井柏軒が松陽新聞に「宍道湖の十景八珍」を発表し、連載したのが始まり。しかし「アカガイやゴズ(ハゼ)が入らないのはおかしい!」「魚介類だけでなく、鴨も加えるべきだ」と当時の食通から意見が飛び交い、「八珍」が「七珍」になるほどなかなか論議は進まなかったといいます。宍道湖が豊かな湖である証拠でしょう》。
このうちスズキ(鱸)は、古事記に登場する。大国主の国譲りがめでたく成立し、天の御饗(みあえ=ご馳走)を誂えるとき、「口大(くちおお)の、尾翼鱸(おはたすずき)」(口の大きい、尾や鰭のピンと張ったスズキ)がお目見えするのである。今も当地には「スズキの奉書焼き」という名物(高級)料理がある。
宍道湖七珍は旬の時期が違うので、すべてを生でいただくのは難しいのだが、JR松江駅前の「日本料理 松江 和らく」(島根県松江市御手船場565)では、これらをせいろ蒸しにし、「宍道湖七珍せいろ膳」1,980円として提供していた。堂々たる店構えで、一見、敷居が高そうなのだがメニューが豊富で、予算に応じて楽しめる人気店である。次回は「泳ぎイカ」(専属の漁師が獲ったイカを生け簀から上げて調理したもの 3,000円~)を食してみたいものである。
古事記の「海の幸彦・山の幸彦」の舞台は九州だとされているが、松江も出雲も奈良と違って、山の幸と海の幸の両方が味わえるところがいい。神話博訪問の際は、ぜひ魚介料理も予定に入れておきたい。
「日本料理 松江 和らく」外観(下の写真も)。同店のホームページより
奈良⇔松江・出雲の交通アクセスを試したかったので、行きは二手に分かれ、Sくんは在来線の特急を乗り継ぎ、私は高速バスを使った(梅田・阪急三番街発)。松江への到着時間はほぼ同時の予定だったが、私は15分早く着き、Sくんは途中の積雪のため30分遅く着いた。その後の予定が決まっていたので、Sくんは足止めを食らった倉吉駅で札幌ラーメンを食べる羽目になったが、私は時間に余裕があったので、予定通り「宍道湖七珍(しんじこしっちん)」をいただくことにした。
HP「神々のふるさと 山陰」によると《宍道湖で特に自慢したい食材が「宍道湖七珍」。「すもうあしこし」(相撲足腰)と覚えてくださいね》。スズキ、モロゲエビ(テナガエビ)、ウナギ、アマサギ(ワカサギ)、シラウオ、コイ、シジミ(ヤマトシジミ)の7種類の魚介類が七珍である。《島根県の東北部に位置する宍道湖は、淡水と海水が混ざりあう汽水湖となっている。この周囲四十七キロの広い湖の、松江市・玉湯町・宍道町・斐川町・平田市各水域で、季節ごとに海水の混じり方が異なる。こんな宍道湖で獲れる魚介類の中から、"宍道湖七珍"と称される独特な郷土の味覚が誕生しました》。
宍道湖七珍のせいろ蒸し。ツユをかけて「だし茶漬け」風にすることもできる
《しかし、宍道湖の魚介類はあまりにも多彩なため、七珍にしぽるまでには数々の議論があったといわれています。七珍の起源は、昭和五年(1930)、松井柏軒が松陽新聞に「宍道湖の十景八珍」を発表し、連載したのが始まり。しかし「アカガイやゴズ(ハゼ)が入らないのはおかしい!」「魚介類だけでなく、鴨も加えるべきだ」と当時の食通から意見が飛び交い、「八珍」が「七珍」になるほどなかなか論議は進まなかったといいます。宍道湖が豊かな湖である証拠でしょう》。
宍道湖といえばヤマトシジミ。同店のしじみ汁には、野菜もシジミもたっぷりだった
このうちスズキ(鱸)は、古事記に登場する。大国主の国譲りがめでたく成立し、天の御饗(みあえ=ご馳走)を誂えるとき、「口大(くちおお)の、尾翼鱸(おはたすずき)」(口の大きい、尾や鰭のピンと張ったスズキ)がお目見えするのである。今も当地には「スズキの奉書焼き」という名物(高級)料理がある。
表紙は、スズキの奉書焼きとしじみ汁
宍道湖七珍は旬の時期が違うので、すべてを生でいただくのは難しいのだが、JR松江駅前の「日本料理 松江 和らく」(島根県松江市御手船場565)では、これらをせいろ蒸しにし、「宍道湖七珍せいろ膳」1,980円として提供していた。堂々たる店構えで、一見、敷居が高そうなのだがメニューが豊富で、予算に応じて楽しめる人気店である。次回は「泳ぎイカ」(専属の漁師が獲ったイカを生け簀から上げて調理したもの 3,000円~)を食してみたいものである。
古事記の「海の幸彦・山の幸彦」の舞台は九州だとされているが、松江も出雲も奈良と違って、山の幸と海の幸の両方が味わえるところがいい。神話博訪問の際は、ぜひ魚介料理も予定に入れておきたい。