吹雪の最中、今年も八幡町内の歳の神が行われた。年男の点火で、それぞれの願いを込めた火祭りがはじまった。御燈明から燃え上がった火はたちまち夜空を焦がし、吹き付ける雪を幻想的に照らした。
清清しい気持ちで一年の無病息災を祈った。朝方からの新雪と厳しい寒さが小正月の伝統行事をいっそう見事に演出してくれた。新年の挨拶を交わしながら、火が少し収まった頃を見計らいお餅、スルメが思い思いの方法で火にかざされた。
最近は、歳の神もいろいろな事情でやらなくなった町内も多いようだが寂しいことだ。ここ十数年来、田畑が極端に減った町内だが、まだ萱や場所など環境に恵まれている。でもこれ以上は都市化してほしくはない。
妻の里信州松本、安曇地方では三九郎と呼ばれ、今も盛大に継承されていると言う。これからも子供たちの生きた地域の生活体験場面「歳の神」がいつまでも続いてほしいと思う。