エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

幽玄の時の流れを見つめる

2006-02-11 | 日々の生活
 会津絵ろうそくまつりに行った。

日暮れを待ってお城へ向かった。風もなく静かに春の雪が落ちていた。
 お祭りと言うと何かにぎやかなイメージがあるが、春を待つひとときの、冬の寒さにほのかに揺らぐろうそくの炎を見つめる、心温まる静かなまつりだ。
ろうそくの灯は幻想的で、まさに幽玄の、メルヘンの世界だった。
 お城の本丸に連なるろうそくの炎の道を、静かに自分の心を見つめながら辿った。
 
会津伝統工芸品である会津絵ろうそくは500年の伝統を持つと言われる。
菊や梅、立葵などの草花が色鮮やかに描かれ、花のない冬の間は、仏様に供える花の代わりとなった。



ろうそくの炎が雪のほこらをほんのりと照らす。みつめる炎は暖かく、心が温まった。
気づけば雪は本格的となり、一層炎が幻想的にまたたいた。
 このまつりの運営をされた多くの市民に感謝しながら、また来年を楽しみに、去りがたい気持ちでお城を跡にした。