エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

言葉の力は、感じる力から

2006-02-26 | 教育を考える

 約10年ぶりに改訂される、次の学習指導要領の基本的な考えがまとまった。
これまでの[ゆとりの中で生きる力を育む教育]は転換され、今度は、確かな学力のための「言葉の力」を柱に据えるという。
 言語力、表現力はものの見方、考え方を身につけるための基本的な力であり、当然重要だ。しかし、いくら読解、記述能力があっても、受け止める心、感じる心がなければ意味がないのではないだろうか。あるラジオ番組の標語に、「心に愛がなければ、どんなに美しい言葉も相手の胸に響かない」とある。その通りだと思う。記録に残し人に伝える前に、まず、感じる力、考える力がなければならないと思う。
これまでの「ゆとり教育」は一体、何だったのだろうか。十分な検証が無いままに、学力低下をもたらす元凶として葬り去られようとしている。
 教育は心豊かに生き行く力を養うものだ。本当の生きる力は、知識ばかりではなく、それ以上に大切な感性、創造性などに関わるものであり、IQよりもEQ(*)が重視されなければならない。たとえば、五感で感ずるイメージで物事を思考する右脳を啓発する教育がもっと重視されなければならない。人として豊かに生きて行く大切な心、情操、感性などとのバランスの取れた、豊かな人間性の育成こそが目標で、それは「ゆとり教育」から生まれると、今も信じている。

(*)EQ(心の知能指数(Emotional Intelligence)ダニエル・ゴーマン 講談社)
(*)拙ブログ2006.1.27 『EQを重視する「ゆとり教育」を』