先日、国会予算委員会のテレビ中継で質問者が会津藩の什の掟を挙げていた。
最近の、耐震偽造事件、ライブドア事件、天下り官僚の談合事件などに共通するものは、恥を知らない行為である。金儲け主義のホテルの弱いものいじめはも情けなくなる。
これら卑怯な振る舞いを例に、今の教育に什の掟「ならぬものはならぬ」の大切さを確認していた。
本棚から「日新館童子訓」を取り出し、什の教えを確認してみた。会津藩5代藩主の松平容頌(かたのぶ)がつくった幼少年期の修身書である。
これは人として生きる基本、時代が変わろうと変わらない不易の教えであろう。
ふと、自分の名誉のため、死を選んだ郡長正を思った。
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郡長正
《 明治のはじめ豊津小笠原藩(福岡県)に留学。ある日郷愁を覚えた長正は
母の手紙に食べ物が口に合わないと書いた。後に母より届いた戒めの手紙
を落としてしまい、拾った小笠原藩士の子弟に大衆の面前でののしられた。
長正は会津武士の屈辱をはらそうと藩対抗剣道大会で完勝、その後切腹し
て果てた。時に16歳の若さだった。 》【www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/j/yukari/jinbutsu/knagamasa.html】参
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今朝、犬の散歩中に、他人様の犬の落とし物まで拾った。ゴミステーションに散乱する生ゴミを素手でかたずけた。些細なことかも知れないが、私は小さなゴミも捨てない。人に迷惑をかけないことは社会生活の基本だ。でも、人の本性は悪なのかと疑いたくなる。されば、悪を理性で正すのが教育なのだろうか。恥ずかしいという気持ちが欠落しているのだと思う。
会津藩幼年者 什の掟
一、 年長者の言うことに背いてはなりませぬ。
二、 年長者には御辞儀をしなければなりませぬ。
三、 虚言を言ふ事はなりませぬ。
四、 卑怯な振舞いをしてはなりませぬ。
五、 弱い者をいじめてはなりませぬ。
六、 戸外で物を食べてはなりませぬ。
七、 戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ
◎ ならぬ事はならぬものです。
教育を語る時、不易流行が言われる。教育改革も知育偏重でなく、まず、他人を思いやる気持ち、豊かな人間性をめざすものでなければならないと思う。