エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

斉藤清を鑑賞する

2007-09-26 | 文芸

 柳津には従兄弟がいて、よく温泉に入りに行く。ときどきは虚空蔵尊にお参りしたり、美味しい蕎麦を食べたりしている。最近は足湯もできて、よく入ってくる。
 彼岸の連休に久しぶりに斉藤清美術館へ寄ってみた。

 今、斉藤清画伯の生誕100年を記念して企画展「紡ぎ出された叙情風景」が開催されていた。副題として -実景とスケッチと版画- とあった。
 展示の版画作品それぞれに、実際の写真とスケッチが添えられていた。
 企画展の解説には
 『自然が織りなす美しい風景の中に形の変化、色彩の明暗や陰影、差異の面白さを見いだし瞬間的にトリミングを行います。そして思案し表現として必要な部分と不必要な部分を取捨選択して理想とする構図へと導き出していきます。対象をじっと見据えて感じ得た一瞬の光景を切り取るかのように紙上に再構成していきます。』とある。





斉藤清の作品は、おなじみの冬の会津、稔りの会津、さつきの会津など、季節を問わずいずれも温かく、何度見ても懐かしくこころ落ち着く風景だった。斉藤清の作品は、自分にとって他にない何とも言えない感動の世界だ。
 特に、今現存する、雪に埋もれるそれぞれの地区の冬の風景が好きだ。〈さつきの会津〉や〈稔りの会津〉シリーズの色彩豊かな作品には心が洗われる。また、京都や鎌倉のお寺の作品も、目の前の景色からこころを紡いだ作品に思われた。

見慣れた作品をゆっくり鑑賞した。そしてあらためて作品のすばらしさに気づかされた。