エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

紅葉の鶴ケ城

2009-11-08 | 街中散歩


今日は暦の上では立冬、穏やかな秋の陽に、はらはらと木の葉が散っている。
 
 「うらをみせ おもてをみせて ちるもみじ」
 これから、良寛の五合庵を訪ねる予定でいる。

 昨日のこと (2009.11.7)

庭に小さいテーブルを出してお茶の時間だ。木漏れ日に、渡ってきた野鳥のさえずりを聞きながら柿の皮を剥いた。
 孫とジジ、ババの幸せなひととき、こんなにゆったりと流れるときがあるだろうか。孫たちが、いつの日にか思い出すことがあるだろうか。今が、一年で一番いい季節かもしれない。

 お茶の後、いつも見るお堀に映る紅葉が目に浮かび、写真撮りにでかけた。
お城の南に隣接するお墓参りも兼ねてだ。来週は母の七回忌、周りを少しきれいにしたかった。迦陵塔の周辺はモミジの実がきれいに降り積もっていた。

墓のある南口から廊下橋を渡り、本丸から椿坂、西出丸から鉄門を通り本丸へとゆっくりモミジの鶴ケ城を巡ってきた。この時期の風物詩、本丸の雪つりはまだだった。城内の桜の葉はだいぶ散っていたが、真っ赤なモミジや青空に黄色が美しいイチョウがちょうどよかった。



 帰り道、二の丸のテニスコートでは中学生が練習をしていた。また、伏兵郭のコートでは、老人たちが力一杯にラケットを振っていた。しばらくうらやましく思いながら眺めてきた。このテニスコートで何十年も続いたC科の新入生歓迎会を思い出した。生徒たちの歓声と笑顔、心身ともに溌剌とした若かりし自分の姿が昨日のごとく浮かんできた。

秋の陽を遮る真っ赤なモミジ葉がひときわきれいに輝いていた。
こうして人生は流れていく。急に感傷的になった老いた身に、観光客の声が響いた。

 今度は雪灯籠祭りで雪のお城を訪れることになるだろう。







【水鳥 西出丸付近】


【雪つり 三の丸付近】

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