エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

晩秋のチョウ

2009-11-10 | 昆虫
         【Vの太字のキタテハ】

秋も深まったが、里山、山間の畑の菊の花には、無数のハナアブが飛び交い、キタテハ、ヒメアカタテハ、キチョウが菊の花に吸密に訪れていた。
 あとわずかの暖かい日差しを受けながら、同じ顔ぶれに飽かずにカメラを向けている。

 ヒメアカタテハは両性の区別が付かない種だが、いつも見ていると、ふくやかな♀と少し細めの♂の区別が付くようになった。最近、食草のゴボウの栽培が減ったことで少なくなっているらしいが、会津ではいつも変わらず年中見られる。
 裏面の後翅の蛇の目や幾何学模様がきれいだ。


【ヒメアカタテハ】

 時々シータテハを見かけるが、キタテハが多い。キタテハの秋型はかなりシータテハに近いが、外縁部の切れ込みや亜外縁の黒班の中に青く輝く鱗粉で区別できる。シータテハはヨーロッパではコンマバタフライというようだ。カメラを向けていると、キタテハのC字はむしろVの太字に見えた。

 それにしても、相手を間違えることはないのだろうか。食草はキタテハがカナムグラ、シータテハはニレ科のクヌギやハルニレなどだが、イラクサ科のホソバイラクサは両種とも食するようだ。また、たとえば非常に似ているミスジチョウの仲間もそれぞれに食草が違う。オオミスジはウメやアンズなど、ミスジチョウはカエデ科植物を食草とし、コミスジはマメ科やニレ科、また、ホシミスジはシモツケやユキヤナギを食べる。何とも不思議だ。進化の流れを知りたいと思う。

 タテハチョウの仲間のヒョウモン類や、シジミチョウ科のミドリシジミなど、なかなか同定しにくいチョウがいるが、判別の根拠となるチョウの斑紋はとても興味深い。

 【キタテハ】

 【シータテハ】

 【シータテハ】

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