エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

雪の日に 茂吉を読む

2011-01-09 | Weblog
雪に埋もれる裏庭

しんしんと降り積む雪に遙かなる茂吉を思うふるさとの山河を

しばらく体調を崩し、何をするにも気力がわかなかった。
今朝は気温が高いのだろうか、重い雪がしんしんと降り、木々の枝も綿帽子をかぶった。
孫たちの冬休みも終わる、みんなで買い物に街へ出て行った。そうだ、明日は十日市だ。

 留守番の一人、書斎で庭に降る雪をながめながら静かに本を読んでいる。
久々の、静かなゆったりした時間となった。
 今、『茂吉と上山』(鈴木啓蔵著)を読んでいる。
 茂吉については、『茂吉の山河』(求龍堂)という素晴らしい本がある。
これは斎藤茂吉没後50年記念の出版物で、何度か訪れた茂吉記念館で購入したものだ。
本書は、歌や随筆はもちろん、親交のあった方々の思い、茂吉をはぐくんだ故郷山形の風景を豊富な写真で美しく綴られ、
かつて見ない良書である。
本の扉には「2005.3.23 上山温泉へ小旅行 朝、茂吉の生家を訪ね宝泉寺に参拝」とメモがあった。

 書棚には、その後出版された、父人間茂吉の実像を描いた北杜夫の4部作品
《青年茂吉》《壮年茂吉》《茂吉彷徨》《茂吉晩年》もあるが、
何日かかけて再読しているこの『茂吉と上山』も、地味だが、この偉大なる歌聖斎藤茂吉の生き様の全貌をダイジェスト的によく知ることが出来る良書だと思う。

 静かな空間で、大好きな茂吉の一つ一つの歌を、声を出して読む。
 何度も読みながら茂吉の心中を思う。至福のひとときである。

 
 【今が一番寒い季節】


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