エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

「地上にて」

2011-01-16 | Weblog

毎日10~20cmの積雪がある。アメダスの若松の積雪量は今日現在70cm、厳しい寒さにほとんど融けない。
屋根からの氷柱が長く伸びた。
野鳥はどうしているだろう。えさ台の雪を払い、パンくず、リンゴの皮を置いた。
用事もないので何日も車を出していない。でも、武琉君は学校から帰ると、いつも車の雪を払ってくれる。



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みちくさ新聞の抜粋コラムから知った『地上にて』(光文社)がアマゾンから届いた。
著者は草風夏五郎、調べたら、小説家/シンガー・ソングライターの辻内智貴のペンネームだそうだ。もっとも、知らない人だった。

『地上にて』を一気に読了した。
ほんの数行を抜き書きすれば、
高名な物理学者だろうが、市井の名もない市民であろうが、この宇宙の前では、すべての人間が平等に無力です。そして、ただそれぞれがその寄せくる人生を、寄せくるままに紡ぎ続けていく日々がここにあります。

 泣き、笑い、疲れ、しながら、家族を愛し、友人を愛し、恋をし、仕事をし、夢を見、時に歌を口ずさんだりしながら、一人一人が、その人だけにあるその人生を、この地上で営み続けています。

 自分が、この宇宙に存在することの、その根拠も知らされぬまま、人間は生まれて、死ぬまでの、その星の瞬きにも充たない短い時を、或るときは苦しみ、或る時は悲しみ、しながら、それぞれが、それぞれとして生きています。》(「
希望」から)

本書の「はじめに」に「本書は、究極の「生き方・マニュアル本」です。」と編集者が述べていた。マニュアルという言葉は嫌いだが、内容は違った。
地上に生きとし生ける人、人生を思った。
そして、加島祥造の『求めない』や久保田昭三の『風来好日』さらには、坂村真民の優しさに通じるものがあると思った。
 自分の心の中では、何もなくても豊かな暮らし、足を知る生き方こそが貴いと思った。
そうした生き方が、良寛や道元にまでつながっていると思うと不思議にこころの安寧を覚えた。


日記@BlogRanking

十日市を振り返る

2011-01-16 | Weblog
 どんなだったろうか 昔の十日市

今年の会津若松の初市十日市は、晴天に恵まれたがさすがに北風は厳しい寒さだった。 昼中に、孫たちを連れて出かけたが、祝日とも重なりかなりの人出だった。
 神明神社にお参りして、さまざまな露天を巡った。そして、風車と起上がり小法師、市飴を求めた。
 風車の色鮮やかな色紙には、金粉で「寿福の神」と書かれお正月を感じた。起き上がり小法師は、習わしの通りに家族の人数より1個多く買って、神棚に飾った。

 途中、思い立って神明通りアーケードの雑踏を抜け、一人蒲生氏郷公の墓所へ立ち寄ってみた。誰もいないお墓は、ビルの谷間でひっそりと雪に埋もれていた。膝までの雪をかき分け、遺髪が納められている五輪塔まで踏み入ってお参りした。
十日市の起源は、葦名氏のころとも、蒲生氏郷の時代とも言われ、400年あまりの歴史がある。かすかに聞こえる十日市の賑わいの中、蒲生氏郷を偲び、永々と続いてきたであろう雪の会津の初市と庶民の生活に思いを巡らせた。